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シンダー落とし管 煙室下のパイプについて

先日 6760の煙室の下についているパイプについての疑問を書きましたら、ある方より下記のようなメールをいただきました。

Locomotive Dictionary 1906 EditionとLocomotive Cyclopedia 1927 Editionによと,このパイプ状のものはcinder hopperとかspark hole chuteと呼ばれるもので,煙室下部に開けたcinder hole(またはspark hole)に止めてあるcinder pipe(或いはspark hopper pipe)を通して煙室内に溜まったシンダーを捨てるためのものです。パイプはフレームの間を通って下に延びており,ピットやそれに類する場所でシンダーを落とします。煙室内に溜まったシンダーは,煙室の左右どちらか一方にあるcinder cleaning holeを開けて,そこから棒やpoker(火掻き棒)を入れて中のシンダーをパイプの口に運んで落とします。パイプはただ素通しで付いているのではなく,煙室直下の部分はcinder pocket(hopperやspark pocketともいいます)と呼ばれるように,溜まりになっています。
同書に図解されているペンシルヴェニア鉄道の例では,パイプの途中に斜めに入れてある四角い板状の仕切り(cinder pocket slide/hopper slide)を抜くことでシンダーを落とす方式ですが,シンダー・ポケットの両側に円形ハンドルがついている(これを回して仕切りを開ける)形態のものあります。ということで,系譜図の側面図にはクリーニング・ホールは描かれていませんが,シンダー・パイプが付いている以上クリーニング・ホールがない筈はないので,反対側にあると考えなければ説明がつきません。所載の写真がすべて左側面なので確認できないとはいえ,ないとは考えられません。クリーニング・ホールとシンダー・パイプはセットだということですね。ですから,シンダー流し管というよりは,シンダー落し管という方が機能に適った呼び方ではないでしょうか。
当然の話ですが,シンダー・パイプが付くのは煙室が前に延長されたextended smokeboxに限られます。古い蒸機(例えばリオグランデの初期型コンソリ)や小型機(例えば木曽のボールドウィン)のように,煙室がシリンダーより先に出ていないもの(短煙室とでも呼びますか)ではクリーニング・ホールもパイプもありません。短煙室の機関車では,煙室内のcinder(燃え殻)やsparks(火の粉)は直接煙突から排出されてしまうので,ダイヤモンド・スタックのような何らかの火の粉止め装置を付ける必要がありました。しかし,それでも充分ではなかったので,煙室を延長してそこに金網を何段かに設置するなどの火の粉止め対策を講じたわけです。
なお,サイクロの説明には水で流すと云う記述はありません。後年そうしたのかどうか判りませんが,したとは考えにくいですね。
また,イギリスではLMSが始めたself cleaning smokeboxを採用していたので,こういうパイプついていないという話をネット上で目にしたことも付記しておきます。

短い煙室だとこのシンダー落とし管だけではなくクリーニングホールもついていないようです。これでひとつ疑問が解消したような気がします。

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Comments

「某氏」と概ね同じ考えです。以下推測もあるので間違ってる所もあるかも知れませんが。
"a History of the American Locomotive Its Development:1830-1880"に拠れば
米国機の煙室延長は1860年にあったが、最初の成功は1880年頃のようです。「クリーニング穴」付きの写真が同書p370に載ってます。
別資料で私が遡れた一番古いのは1884年製のノフォーク&ウエスタン「テンホイール」機の缶の図に煙室の排出蛇口がついてました。
煤の排出に「水で流す」という事実は今の所は確認出来ません。棒で叩いて落とす程度かなと私も推測してます。
米国機のクリーニング穴は運転室に座って左側に多いのですが中には右もあります。
一例は関西鉄道、ピッツバーグ製4-4-0。1900年頃製2気筒複式。
米国鉄道にも多少右側に付けたのがあります。

クリーニング穴は無いらしくて、しかも排出管付きは、米国機以外でいくつか確認できます。
ロシア、0-8-0、エスリンゲン製、1891年
フランス、PLM、0-8-0、自社工場製、1898年↓
https://lh4.googleusercontent.com/-ZYqXV3-nVIY/TxK_B2LK0vI/AAAAAAAAKY8/3oQcVehJI8c/s640/img933.jpg
ドイツ、プロイセン、0-8-0、2気筒複式、バルカン製、1898年
日本、9600、初期図。↓
https://lh3.googleusercontent.com/-lbtgR-ymKGo/TxK7z1CpcbI/AAAAAAAAKY0/pt43C9EhzdI/s580/img932.jpg

Posted by: 鈴木光太郎 | January 15, 2012 at 09:06 PM

蒸気機関車スタイルブックの6760の図面でもシンダー・パイプが描かれていますが、この6760にはシンダー・パイプらしきものは見当たりません。
http://www.shonansho.org/sasaki/railway/img/045.jpg

シンダー・パイプ付6760は存在したのでしょうか?

Posted by: railtruck | January 16, 2012 at 09:01 AM

下工弁慶という762mm軌間の0-4-0を直接走らせることに関与した時の経験をお知らせします。この機関車はボールドウィン製の機関車のコピーですが、煙室戸は日本風に(イギリス風に)レバーを90度ひねって開けるようになっています。
シンダを捨てるパイプがありました。その途中に90度ひねって閉じる栓があります。開くとパイプの太さ全体の開口部があります。私は当然、側面からのアクセス・ホール(クリーニング・ホール)があると思っていましたが、正面の戸を開ければよいことでした。中に溜まったシンダはスコップではすくいだしにくいので、このパイプを通して落としました。
小型機の場合はクリーニング・ホールはなくても構わないのですが、クリートを全て開くのが面倒なタイプは、あった方がよいでしょう。

Posted by: dda40x | January 21, 2012 at 07:36 AM

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