ネットに頼っていると”上手なウソ”がつけなくなる
少し旅に出て仕事からも模型からも解放?された一週間を過ごしました。
その時読んだ文藝春秋9月号に映画「風立ちぬ」に関連したジブリの宮崎駿氏と作家の半藤一利氏の対談記事がのっていました。
そのなかで、時代考証については、”どうやって上手なウソをつくかというのが、僕らの商売”という宮崎氏の発言がでてきます(p.101-102)。これまで資料がないためにわからなかったことがインターネットで検索すると一瞬でわかるが、その通りに描いたのでは「らしく」ならないそうです。
これは模型にもいえることで、実物をそのまま縮尺通りに小さくしても「らしく」ならないですね。私のフィールドである「古典蒸気機関車」の模型にしても、昔は資料がなくて動輪径・軸距をもとに写真から割り出すなどとして苦労して設計していました。ところが日本では輸入機関車の組立図などは失われていても、製造国の英米などの図書館に組立図やメーカー写真などが保存されていたことがインターネット検索で判明し、機関車研究家の方々のご尽力でどんどん明らかになっています。
といってその組立図どうりに縮小して忠実に作れば「らしい」模型が作れるかというと、それは違うと思います。やはり「上手にウソをつかないと、それ”らしい”模型はできない」と思います。
特に私の採用している16番(1/80,16.5mm)では、実物に比べて3.5mmガニ股なわけで、その時点ですでに忠実性が破綻しているわけです。そこでいかに「らしく」作るかが勝負だし、楽しみだと思っています。
この辺りが欺瞞だと感じたり、「らしさ」より「忠実性」を求められる方は、ファインスケールOJ(1/43.5-45,24mm)やJM(1/80,13mm),HOj(1/87,12mm)を採用されるのでしょうが、私はしぶとく16番で「らしさ」を追求していこうと思っています。このあたりの話はオイオイ続けようと思います。
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