官鉄神戸工場製F1とLNWRのD型テンダー機関車の因縁
かつてレイル誌に連載された高木宏之氏の「国鉄蒸気機関車の系譜」の第1回(27号,1990年4月)によると、神戸工場の汽車監察方であったリチャード・トレビシックが設計・製造指導したF1(9150形)などは、LNWR(London & North Western Railway)の機関車の影響を強く受けているようです。これはトレビシックの父親もLNWRで機関車設計の仕事に従事しており、当時LNWRのチーフメカニカルエンジニア(技師長?)勤めていたF.W.Webbの影響を受けたをためだろうと高木氏は書かれています。
F1は私の好みからいうと動輪が少し小さい(1092mm)のと、勾配区間用として製造されたのでテンダーがやや小さいのが気に入りません。動輪は後年大宮工場で大きな動輪(1245mm)に交換されたものもありますが、これを模型化しようとすると動輪間隔がつまってしまって、実物に比べてフランジが大きな模型ではブレーキシューの取付などがかなり厳しくなります。
それならいっそのこと1/80で15.5mm径の動輪を持った本線用のD型テンダー機関車をフリーランスで設計した方が気に入った模型が出来るだろうと思いました。そして9150形の設計に大きな影響を与えたLNWRの貨物用D型テンダー機関車に興味を持ちました。
そこでネットで検索してこの本を見つけましたので、英国から取り寄せてみました。これから少しずつ読んでみようと思います。写真や形式図、組立図もたくさん載っています。
この本をみてLNWRの貨物用D型テンダー機関車はスタイルの良さに一層惚れ込みました。
なおこの本のClass Aの組立図を1/80でリサイズして、金田さんの9150の図面と並べてみると、動輪が少し大きい(1/80では約17mm)のと ボイラー中心が約4mm高い以外は大きさはあまり変わりません。キャブの横幅はむしろClass Aの方が狭いのには驚きました。
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