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F式エッチングをこころみる

F式エッチングという、コピートナーを防蝕膜にするエッチングパーツ作成方法があるのはみなさんご存じかと思います。
私も遅ればせながら作成してみました。今回作成したのは9850タイプのキャブ妻板です。
コピーを使ったエッチングの防蝕膜作成法の詳細については、オリジナルのHPをごらんください。
私はエッチングの原図は、MacのDraftingCAD PROで作成しました。
まず私がつまずいたのは、私の仕事場のプリンターがすべてブラザー製であったことです。(ブラザーにしているのは、仕事でリナックス使うのでプリンタードライバーの対応がキャノンやエプソンに比べてよいからです。)
ところがブラザー製プリンターは使用しているトナーの溶着剤の溶解温度が他社より高いらしく、ラミネーターでの真鍮板へのパターンの転写がうまくいきませんでした。
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キャノンのレーザープリンターならうまくいくとのことだったので、ちょうどネットショップで在庫処分で叩き売りされていたキャノンのカラーレーザープリンターLBP5050を¥8,010で購入しました。交換用のトナーセットよりも価格が安かったです(笑)仕事でも月に数枚はカラーで印刷する必要があるので購入しましたが、やはり旧型だけあって印刷スピードが非常に遅く、仕事でのふだん使いのプリンターにはやはり不向きです!が、無事ラミネーターで転写できました。なおラミネーターは最高温度で5回通しました。
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F式の作者さんは、エッチング抜き落としでパーツを作られているので両面に転写されているようですが、私は片面の腐食なので片面にしか転写していません。裏面は全面にテープを貼って防蝕膜としました。
腐食液はF式の記事通りのエジンバラ液(市販のプリント基板用腐食液+クエン酸水溶液 混合)dda40xさんのブログにある 3%オキシドール+クエン酸水溶液の混合液の 両方を試してみました。
お湯を入れた大きな容器に浮かせた二つの小さな容器に2種類の腐食液が入っています。茶黒いのがエジンバラ液、青いのがオキシドール+クエン酸です。
20131108220659690
腐食作業後は下図のようになります。難しいのは腐食の深さを決めることでしょう。抜き落としなら抜ければ完成ですが、片面腐食の場合は適当に引き上げて様子をみるしかないです。次回は余白にいくつか防蝕膜パターンを作っておいて、引き上げたときに防蝕膜を剥がして腐食の程度をチェックしようと思います。F式のサイトには、ラッカーシンナーで拭いてトナーの防蝕膜を剥がすとか書いてありますが、ペーパータオルで強く擦るか爪で擦れば簡単に防蝕膜は剥がれます。
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左がエジンバラ液、右がオキシドール+クエン酸による腐食の結果です。


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Comments

エッチングの深さについて、0.1mm彫りたければ、t0.1の片方にテープを貼って、一緒に沈めます。
テープだけになったら、エッチング終了としてます。

Posted by: 茨城のすずき | November 09, 2013 01:28 AM

茨城のすずきさん、いいヒントありがとうございます。

実は今回オキシドール+クエン酸の方は板の表面から細かい気泡が発生していかにも金属が溶けているという雰囲気なのですが、腐蝕の速度はエジンバラ液の半分ぐらいでした。
次回はお教えいただいた方法もやってみます。

Posted by: ゆうえん・こうじ | November 09, 2013 02:49 PM

今回のネタには興味深々です。
車体レベルもできそうですね。
早速、ボーナス小遣いでの購入を検討します。

Posted by: ヘボ職人 | November 11, 2013 10:35 PM

レーザープリンターは型落ち機種なら一万円以下でありますよ。なお上にも書いたようにブラザー製プリンターはトナーの溶着温度が高いのでF式には向かないようです。あと細かい点や細い線はトナー防蝕膜が弱く脱落しやすいので難しいと思います。16番サイズのリベットやメーカーズプレートなどはF式ではちょっと無理だと思います。木造客貨車の筋目板やステンレス電車のコルゲートあたりはF式でいけそうな気がします。

Posted by: ゆうえん・こうじ | November 12, 2013 01:15 AM

そうですか。リベットは難しいですか。でも魅力的な方法なのでいろんなことに挑戦できそうですね。

Posted by: ヘボ職人 | November 12, 2013 11:02 PM

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