« 9850タイプをつくる(8)全体仮組み | Main | キット改造の愉しみ »

9850タイプをつくる(9)簡易イコライズ

この機関車のベースになったMantuaの製品は動輪固定式です。
9850eqr

マレーで動輪固定式の場合は、図の一番上のように後部台車がボイラーに固定されており、前部台車とボイラーの間にバネをいれて前部台車に荷重をかけるのが定番です。
なお今回はC-CマレーですがわかりやすくするためにB-Bマレーの図で解説します。
動輪イコライザー可動式にする場合図の真ん中のようには、前部台車は単独で三点支持にして中央一点にボイラーとの支点を設けます(バネは入れません)。後部台車の動輪の左右をそれぞれイコライザーで支えて2点で支持して、機関車全体で3点支持とします。
固定式だと走行時前部台車が大きく上下してボイラーも安定しません。前部台車にかかる荷重もバネの伸縮により変化して安定しません。しかし動輪イコライザー可動式にするとボイラーは安定し、動輪も線路に追従します。
今回のMantuaの製品は動輪固定式なので、動輪イコライザー可動式にするためには下回りを大きく改造するか作り直す必要があります。そこで図の一番下のように後部台車をボイラーに固定せずに第2動輪上に設けた支点でシーソー状に動くようにしてみました。
20131202000026652
また前部台車の支点はコロ式の復元装置を設けました。
キットの前部台車の荷重受けは外しました。ボイラー内にミニチュアベアリング使用のコロが見えると思います。オリジナルの荷重受けはスプリングとピンを外して、自作の荷重受けをネジ止めしました。後部台車の支点は真鍮板から作成してボイラーにネジ止めました。
後部台車とボイラーの上下組立はこの後部台車支点のネジでおこないます。
20131202000026709
車高はオリジナルの製品に比べて約3mm下げてあります。そのため後部台車のギアボックスがウェイトに当たるのでその部分をフライスで削りました。
後部台車もボギー車のように首を振らせると急カーブの通過も可能ですが、今回はシーソー状に動くだけとしています。ちなみに前後台車とも首を振らせたリバロッシのHOビッグボーイは急曲線を曲がるので有名でしたね。またNゲージではマイクロエース製品をはじめマレーは後部台車も首振らせる方が一般的なようです。
20131202000026785
ディテールでは、前部デッキをつくりました。

|

« 9850タイプをつくる(8)全体仮組み | Main | キット改造の愉しみ »

Comments

日本に来たマレーしか知りませんが、実物のイコライザーは、前後とも左右2点ですね、模型と違って前部台車は回転だけで、全くスイングしないので、線路のねじれにはバネだけで対処するようです。
ジョイント部の蒸気漏れを考えると回転だけなら簡単な構造で済みますからねぇ。
モーションプレートの所の荷重受けは、絶対にねじれないようにするために、スライダー構造になっています。模型ではスイングさせるのは当然だとは思いますが・・・

Posted by: クラーケン | December 02, 2013 10:56 PM

大型機ではどうかわかりませんが、小型マレーは、意外に、何にもしなくてもスムーズに走りますよ。

Posted by: 美男(備南鉄道) | December 03, 2013 10:04 PM

本物は大きいので、機関車全体が多少ねじれます。また、線路が柔らかいので、かなり助けられています。もちろんバネも大いに貢献しています。
模型は堅い線路、堅い機関車なので前部は1点で支えないと事故の元になります。
後部のシーソーは必須で、これがないと何の意味もありませんね。完成を楽しみにしています。

Posted by: dda40x | December 04, 2013 09:24 AM

クラーケンさん、美男さん、dda40xさん コメントありがとうございます。
模型は実物と比べられない程悪路を走りますし、車体が捻れないなので今回の構造がベターかと思っています。

美男さんの4500は図の一番上のように前部台車はバネによる圧着だけですか?
マイクロキャストの4500は、動輪イコライザー可動式ですが、ボイラーに固定された後部台車が単独で3点支持となっており、前部台車はバネによる圧着です。やはりこれは模型的にみると正しくないイコライズだと思います。当時クレームの手紙書いたのですが、相手にしてもらえませんでした。

Posted by: ゆうえん・こうじ | December 04, 2013 02:32 PM

 実に、何もしていません。「なにか復元装置が必要だろうな。」と思っていましたが、試走段階で、シャコシャコと、スムーズに走ったのです。当時はレイアウトを1週するのが心配でしたが、現在は当りが取れたのか2~30分走らせてもOKです。
 本当に前部台車は宙に浮いています。下手に可動にしないほうがいいこともあるのかなと思います。

Posted by: 美男(備南鉄道) | December 04, 2013 08:11 PM

うちのBBマレーは、後部台車だけでバランスとって車重を受けています。

前部台車は別にウェイトを掛けて線路に追従させているだけ。

ぜんぜん問題無く快調に走ってくれてます。模型なんですから、これで充分かと。

http://www.k3.dion.ne.jp/~skt/othermodels/02saddle_tank/saddleT2.html

Posted by: skt | December 04, 2013 09:00 PM

私のマレーは、天賞堂の9850を六甲模型の震災セールで格安で手に入れた物を復旧がてらイコライザーや駆動装置を全面的に作り直したんですが、イコライザーは前後が左右2点で、前台車が左右にスイングする構造で、モーションプレートの所に上下しないベアリングで荷重受けを作って、ボイラーに目いっぱいウェイトを詰めて、テンダーの荷重の一部を機関車後部に掛ける方式をした結果、平坦線ですが、真鍮製の客車を17,8両けん引して走ります、モーターはマシマの1630ですが、これで十分です。

Posted by: クラーケン | December 05, 2013 03:21 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 9850タイプをつくる(8)全体仮組み | Main | キット改造の愉しみ »