イコライズの効能
一昨日の狂気会の二次会でYさんから聞かれたことに
イコライズの効能があります。
そのときお話ししたのは
1.イコライズすると車輪の線路への追従性がよくなるので集電性能は向上する。
2.イコライズしても牽引力はあまり変わらない
3.イコライズするとイコライザーを調整することにより車体の前後左右への傾きが容易に補正できる。
という3点です。
逆にいえば固定軸でも、先従輪含めて全軸集電とか集電対策を完全にやればスムースに走るということです。
ではなぜイコライズさせるかというと、それは工作の楽しみでやっているということになります。
とはいっても動輪とスプラッシャーやブレーキシューの間隔を実物並みに狭くしたいということならむしろ固定軸の方が有利かもしれません。
またイコライズにしても動輪のみイコライズした方が牽引力が増すのでよいという意見もありますし、逆に先従輪までイコライズした方が支点間距離が長くなって車輌が安定するという意見もあります。これもどちらが正しいということではなくプロトタイプの大きさや車軸配置によってもまた前提条件が変わると思います。
まあ自分でも固定概念は持たず、いろいろな方式で作ってみようと思っています。
一概にT社がいうようにイコライズした蒸機模型が高級とはいえないと思います。
走らさないで飾っておくだけなら、むしろ固定軸の方がよいと思います。
といってもT社のTPE方式は先台車と第一動輪を結ぶイコライザーで前後の傾きの調整ができるのでそれなりの効用はあるのかもしれません。
Comments
イコライズのもう一つの効能として、線路のつなぎ目の通過音があると思います。サウンド化したら関係ないかもしれませんが、近年モーターの高性能化によりスケールスピードでの運転が可能になってきましたので、車両の通過音も楽しめるようになってきました。
Posted by: ozu | February 25, 2014 09:59 AM
ozuさんのいわれる線路のつなぎ目の通過音もイコライズの利点ですね。ただこれは重い機関車だとバネも入れないとゴツゴツいってしまいますね。
またスケール指向の薄い車輪だとイコライズさせると線路に追従するので、ポイントのフログの部分で落ちてしまうようですね。
というわけでM社やP社のように先従台車に薄い車輪を使ってある模型は見栄えはよいが、走行性能はダメということになるようです。
Posted by: ゆうえん・こうじ | February 25, 2014 02:05 PM
私はC54.C55.C57にイコライザ(先台車と第一動輪、第二・第三動輪、でイコライズ)をやりましたが、効果としては先台車が跳ねずに全体として平行が保たれるので、重連時にデッキ先端にあるカプラーが外れないで安定して走行出来ることなどがメリットだと感じました。
また、高速で走らせていると車体の上下動が少なく、安定しているように見えました。
TMS500号記念のコンペに出したEF50もそのような効果を期待して同様のイコライザにしていますが、軸距離が長いEF50でもR550でも走行可能な運転性能はイコライザの効果がかなり貢献しています。
Posted by: ム | February 25, 2014 09:47 PM
ムさんコメントありがとうございます。
16番/HO蒸機のイコライズについては、一応故井上豊さんの記事で集大成されているとは思いますが、まだまだ議論の余地は多いと思います。
ただこういうものは理論だけではダメなので、実際みんなでいろいろ作って試行錯誤していくしかないと思います。
Posted by: ゆうえん・こうじ | February 26, 2014 09:54 AM
シンプルな解説で分かりやすいですね!
やはり、1/80程度の大きさの模型では、井上豊さんの記事のような悪路走行への対応時にしか有効では無いと感じています。悪路対応を主眼にする場合は、先従輪の上下可動範囲はかなり大きく(±1mm以上?)取っておく必要が有るので、井上さんの記事の通り、イコライズしない方が可動範囲を広げやすいと思います。
しかし、イコライズするのは、御説の通り「調整しやすい」からだと思います。逆に、ダイキャストなどで精度が出せる製品では、D型機ぐらいまでは、耐脱線に関しては可動不要なのかもしれません。実際そのような製品は、実に良く走りますものね。
Posted by: 廣瀬 | February 27, 2014 12:40 AM
廣瀬さんコメントありがとうございます。
先従輪、とくに先輪の主台枠とのクリアランスはよく問題となりますが、先従台車までイコライズしておけばこの隙間は小さくできますね。またムさんのいわれるようにデッキ前端部の上下動も小さくなるという効能もあるようです。
Brass_solderさんがつくられた1C1のC12などは全長にくらべて動輪軸距が短いので先従輪を含めたイコライズのよい適応なのでしょうね
HOの欧州製やメイドインチャイナの米国製蒸機模型をみていると動輪固定式なのによく走りますし、昔のブラスモデルの定番だった軸箱の上にバネの入った動輪可動式蒸機もほとんどバネが撓まなくて、実質固定式と同じだったのにそこそこ走りますね。
イコライズ至上主義もそろそろ考え直す時期に来ているのかもとおもっています。
まあイコライズの話は切りがないので今回はこの辺にしておきましょう
Posted by: ゆうえん・こうじ | February 27, 2014 11:53 AM