続々・てんびん棒イコライザーとはナニモノなのか?
本家のコンさんのブログでは一旦締めになった「てんびん棒イコライザー」ディスカッションですが、当ブログを含めいくつかのサイトではジワジワ続いています。
結局てんびん棒はイコライザーではなく、中央一点で支持された単軸台車の捻れを線バネで釣り合いをとって車体のローリングを制御する機構だったということが結論だと思います。
今回の「てんびん棒イコライザー」については、ネット上で適切な議論がおこなわれた日本の鉄道模型史上初めての例だとddx40aさんはいわれていますが私もそのとおりだと思います。
私見をつけ加えると、
最初に掲載されたTMS3月号(876号)の88頁の写真1が、「てんびん棒イコライザー」が両単軸台車の釣り合いをとって(車体のバランスを)制御するメカニズムのように見えるので、誤解を多く生んだと思います。実際「てんびん棒として釣り合いをとっている」のは、中央の取付板を介して結ぶ線バネが両単軸台車相互の釣り合いをとるのではなくて、両単軸台車が中心を支えられて各台車ごとにバネで釣り合いをとるいう意味であったはずです。
また「イコライザー」という言葉を、非常に広義に使う方もいれば、科学的に狭義に使う方もいて、議論がうまくかみ合っていなかったこともやや混乱した原因だったと思います。よく巷では「専門学会の議論が、専門用語を使って門外漢にはわからないようにおこなわれる」とネガティブいわれますが、あれは皆さん言葉の定義が一致しているから真っ当な議論が成り立つわけで、ひとつの言葉をそれぞれが違う意味につかうと議論はなりたたないですね。ただその辺を曖昧にして素人を煙に巻いて、説明をごまかすというテクニックも往々にして使われているのでそういう印象を受ける方もおおいのかと思います。
私自身も今回のディスカッションをとおして、二軸車の車輪可動機構についてはいろいろ考えるところがありましたので、今後の糧にしようと思います。
Comments
作ってみてわかったのですが、機構の結論はゆうえんさんの「中央一点で支持された単軸台車の捻れを線バネで釣り合いをとって車体のローリングを制御する機構だった」に同意です。
この機構については記事タイトルおよび写真と実際のはたらきが、かけ離れているところに議論が混迷したのではないでしょうか。
写真1の状態はいかにもてんびん棒を思わせますが、中央を床板にネジで固定した時点で、単軸台車どうしでのてんびんのはたらきはしなくなりますね。単軸台車どうしがてんびんであるには、支点がフリーに回転しないと両側で釣合をとることにならないと思います。また、イコライザーのようにも見えてしまいますが、ばね根元にハンダ付けされた位置からの線バネの応力で、それぞれの単軸台車の動きを規制しているだけです。よって「てんびん」でもなく「イコライザ」でもないという感じがします。
イコライザの語義をどう使うかについては良くわかりませんが、記事冒頭に「てんびん棒イコライザーの名前は正式のものではありませんが」と書かれているので、この機構にふさわしい適切な名前をつけたら良いかと思います。
ねじりバネでの試作品を悪路走行させてみると、凹凸のある線路を走るとき、枕梁線材と床板がわずかに開くこともあるのではないか、そのときには捻りだけでなく撓みが作用して追従してくれるのではないか、その場合は車重も影響してくるのではないかとか、いろいろ考えてしまいます。
記事にも書かれているし、ワークスKさんのコメントにもありましたが、線材を板材にして作ってみました。なんだかS形ミンデン台車の支持機構のように見えてきます。ほぼ同じようなローリング制御が可能です。
Posted by: ヤマ | March 20, 2015 10:34 PM
ヤマさん コメントありがとうございました。
私はやはり3月号88頁の写真1が混迷の素だったと思います。
4月号の114頁の編集者の手帳欄に小林義和さんの訂正文が掲載されていますが目立たない扱いですね。
私は板バネにして、支点も単軸台車の上に線を貼るのではなくて、中心より車端寄りの一点で支えると垂直方向のバネもきいてよくなると思います。
Posted by: ゆうえん・こうじ | March 21, 2015 12:32 AM
ゆうえん様
少し前にコメントさせていただいたhです。
遅ればせながらブログ開設いたしました(今後はhtrkと名乗ることにします)。
まずはKATOの機構についての記事を載せています。
ゆうえん様とは違う解釈になっていますが、御意見等いただければ幸いです。
それと、皆様もしKATOのヨ5000をお持ちでしたらぜひ御覧になっていただきたいです。私は軽く衝撃を受けました(いろいろな意味で)。
Posted by: h改めhtrk | March 23, 2015 12:06 AM