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閑話数題(3) 9mmゲージの線路を走るナローの縮尺について

私は行かなかったのですが、ネットなどの情報では先日の静岡のホビーショーで、TOMIXが「1/80・9mm」の軽便シリーズを発売することを発表したらしいですね。現在はいわゆるHOナローでは「1/87・9mm」が多数派の状況の中で一発花火で終わるのか、TOMIXの進出で流れが変わるのか、混乱を引き起こすだけなのか興味深くみていきたいと思います。
乗工社の故Kさんの提唱で始まった「1/87・9mm」も理念はともかく、最初はモーターの大きさの制約などからオーバースケールな製品が多かったので、「1/80・9mm」との混在に違和感はあまりなかったですが、最近10年ほどは高性能の小型モーターの入手が容易になって1/87の正確な大きさのモデルが増えると1/80との共存に問題が出てきたのは皮肉な時の流れだと思います。
では私はどうなのかといわれると、9mmゲージの線路を走るナローは英国型ナローが好きなこともあって日本型を含めて原則1/76〜1/80でやっていきたいと思っています。また16番本来の考え方?からすると小型車両はオーバースケールでつくるのが妥当だと思っています。というわけで日本型「1/87・9mm」は廃線にしました。
ただ私の模型でも米国型のメインものや南米のピラポラもの・ダックスなどは例外で1/87でやります。まあその模型が走る舞台が違えば縮尺は違ってよいとは思いますが、一つの舞台で走る車両のスケールは統一したいです。

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4030 レストア(6)  続々 ブレーキシュー

最初はここまでやるつもりはなかったのですが、やはりブレーキ関係のディテールつけてしまいました。
ブレーキテコは2mm幅の帯材から切り出し両端を細くやすりました。ロッドとリンク類は、0.5mm真鍮線とエコ−モデルのエッチングパーツでデッチあげました。
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バルブロッドもクランクの部分が製品のままでは見映えがわるいので、作り直しました。
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1.0mm径の洋白線の側面に0.5mmの孔をあけましたが、これは目分量で工作したのではなく、下図のような治具を作って作業しました。といっても治具というほど大げさなものではなく、1mm厚の真鍮板に糸ノコと三角ヤスリで溝を掘って中央に孔を開けたものです。これをひっくり返して線をこの治具で押さえながら孔にドリルを差し込んで孔を開けると簡単にセンターに孔が開きます。
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4030 レストア(5)  続 ブレーキシュー

製品オリジナルのブレーキシューは少し形が違うし、製造後40年近く経過して経年変化のためか折れやすくなっていたので、作り直しました。
とりあえず、手元にあった昔のドロップパーツと0.6mm径のリン銅線で簡単にまとめました。ブレーキテコや作用ロッドも追加工作するつもりです。
第3動輪以外ハンガーはつけず、シューのみです。
実物は第2,4動輪動輪は主台枠からリンクで、ブレーキテコを吊り、それにシューを取り付けているらしいです。
第1動輪はよくわかりませんが、シューだけにしました。

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手前がオリジナルの動輪押さえ板です。t2.0の真鍮製です。
t1.0真鍮板で押さえ板をつくり、その上にt0.5のブレーキ取付板を重ねました。

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キットオリジナルのモーター取付板では、モーターと動輪のクリアランスが小さくて、集電ブラシがモーターと当たってショートしやすそうなので、t0.5の板で裏打ちして、モーターの取付位置を少し上げました。

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4030 レストア(4)  ブレーキシュー

昔買った ブロードベルトコレクションの写真が出てきました。

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この写真をみると、第2,4動輪のブレーキシューのハンガーは、動輪と台枠の間についているように見えます。
第三動輪のシューもブレーキシューから下には延びておらず、シューの取付ピンがそのままブレーキテコにつながっているのでしょうか?第一動輪のシューとハンガーはブレーキシリンダーに隠れてよく見えないです。
鉄道史料44号の臼井さんの記事によるとブレーキ引棒は中央一本です。
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砂撒き管の作用ロッドもつけないといけないですね。

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プライヤースタンド

ネットの彫金材料店で売られている。木製のプライヤースタンドを買ってみました。完成品で二千円ぐらいでした。
プライヤー類引出に入れておくよりは使いやすいようです。

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4030 レストア(3) 砂撒き管

砂撒き管をつけました。
砂撒き管は、0.4mm径の真鍮線、砂撒き管元栓はウィストのロストパーツです。
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あと上回りはランプ掛け関係、下回りはバルブロッドとブレーキシューを修正追加する予定です。

今年のGWはそこそこ模型がすすみました。


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7000タイプを作る(30) 火室と灰箱

昨年2月末の日吉のNGJ例会に持参したとき、SUさんに火室と灰箱がついていないことを指摘されてしまいましたが、組立図や写真見てもよく実物の形がわからないので、それ以来一年以上放置していました。
先日ボールドウィンの小型機の一般的な構造にすればよいのだと思いついて、解剖書をひもといたところだいたいの感じがつかめたのでデッチ上げました。
火室部は、6X3の真鍮角材を切り出し、灰箱は1.5mm厚真鍮板から切り出して縁を斜めに落として組み合わせました。シルエットだけなので火室側面のリベットは省略です。
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キャブ下にモーター取付台のネジを利用してネジ止めしました。
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これでキャブ下が落ち着きました。
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なおこの機関車の製作を中断・放置していたのは、DCC化やサウンド搭載をどうするかという問題もあったのですが、DCC化はせず、KATOのサウンドボックス対応でいくことに決めました。客車に無線Bluetoothスピーカー搭載の方向で考えています。

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4030 レストア(2) 煙室まわりパーツ交換

サイドタンク前方の給水栓は友人からいただいたロストパーツに交換し、クリーニングホールもウィストのロストパーツに交換しました。操作レバーが曲がっているの写真で気がついて直しました。
煙室ブレイス(デッキ支え棒)の煙室側取付部にはには、取付部に自分で原型を作ってロストを吹いてもらったブレイス座金をとりつけました。
前照灯は、九州鉄道時代は小さい前照灯になっていたので、トビーのオリジナルも小さなものがついていますが、原型の写真に写っているような少し大きい油灯に交換しました。これはPrecison Scaleのロストパーツを小さく削り直して、下面から、LEDの電線か光学繊維が入るように孔を貫通させたものです。
キャブがこの製品のように二重屋根になったのは、九州鉄道時代に改造されたそうなので、前照灯のスタイルとは時代考証的に矛盾しますが、まあよしとしました。
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今日(5/4)は、半日仕事だったのですすんだのはこれだけです。

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4030 レストア(1) サンドドームの新製

先日ネットオークションで入手したトビーの4030形のレストアをすることにしました。

このモデルは、1970年代に発売されたのでもう40年以上前の製品です。
あの当時としては出色の出来だったと思いますが、現状では見劣りする部分もあるので少し修正加工をすることにしました。
モーターは付属していなかったので、アルモーターVを取り付けました。
この缶モーターは背が低いので、キャブの窓からモーターが見えないので感じがよいし、スローがよく効きます。

製品オリジナルのスチームドームは、プレスの本体と挽物のキャップの組合せでよい格好をしていますが、サンドドームは小さくて少しアンバランスです。ドームが小さいので実物以上に鈍重で大きなロコのような印象となっています。金田さんの形式図をあたってみると、直径が7.5mm高さが8.5mmです、製品のプレス製ドームは、直径が6.8mm高さが7.8mmとひとまわり小さくなっています。
ちょうどエコ−の小型機用丸型スチームドーム1755が、直径7.8mm高さ9mmと適当な大きさだったので、頭部を削り直して使うことにしました。最近はドームの裾を削り出すのが面倒なので、ロスト製や挽物+プレス製の適当なドームのパーツがあればその頭部を削り直して使い横着することが多くなりました。
オリジナルのスチームドームが直径はスケールどおり10mmですが、高さが約0.5mm高かったので、サンドドームもバランスを考えて高さは8.7mmとしました。
頭部の切削加工は旋盤でおこないましたが、まずドームの中心に孔を開けてネジを切ります。
なおこのドームは、直径が12-14mm程度のボイラーようなので、バイスで丸棒を当てて締めて、裾の調整をしました。急にバイスを締めると裾が割れるのでゆっくり締め上げます。
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次に真鍮丸棒からヤトイを作ります。5mm径の真鍮丸棒の先を2mm径に削ってダイスでネジを切ります。
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これに加工したドームをねじ込んで、頭部のカーブを削りなおします。頭部を削るときには旋盤のバイトは使わず、ヤスリを使ったドリルレースで削ります。
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ドームの交換前(上)と交換後(下)です。かなりイメージが変わったと思います。
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オリジナルは砂撒き管元栓をドームの裾をプレスで表現していますが、現在では見劣りがするのでロストパーツを取り付けます。


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6500(31) シリンダーの空気弁

製作していたとき、詳細がよくわからなくてペンディングにしていて、そのまま忘れてTMSにも投稿し掲載されていたパーツがひとつありました。
シリンダーのスライドバルブ前面の空気弁です。最初6500の資料を漁っていたとき、上向きと下向きの両方があったので途中で改造されたものがあったのか?どうかわからないままになっていました。

ご自分でもOJで6500を作られたHDさんにご質問すると、6500は1898年(6両)と1906年(3両)の二回に分けて輸入されており、最初の6両が下向きで、後の3両が上向きについていたと教えていただきました。私の6500は44のプレートをつけているので前期型ということで、ウィストジャパンのロストパーツ(1310弁室油箱パッキン)の空気弁を下向きにつけました。

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写真が掲載されて気がついた煙突の傾きは、丸棒を突っ込んでエイヤと直しましたが、前照灯の傾きは直らないですね。お恥ずかしい限りです。
なお前照灯のLEDは、交換不可能な構造となっています。LEDというのは電球と違って切れないものだと思っていたのですが、中華LEDは当たりが悪いと短期間で切れることもあるらしいですね。もしLEDが切れれば、前照灯をやり直そうかと思います。

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日車20tCタンク(12)  未塗装完成

先日コンさんの日車20tCタンク拝見して、やはり自分のロコは下回りが少し寂しいと思いましたので、エコ−のドレインコック1773と後方に排障器1776を追加しました。前方の排障器はt0.4の帯板から曲げたものを取り付けました。
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それからキットの集電ブラシですが、そのままキットの説明書に書かれているように垂直部分の先だけ曲げたのでは、第3動輪からの集電が不安定なようです。第3動輪用は、ネジ止め孔から後の部分を大きく捻るように曲げた方が柔軟になり追従性がよくなり集電が安定します。最初低速運転すると少し引っかかる部分があり、ロッドの問題かと思って調整しても改善しませんでしたが、集電ブラシの曲げ方を変えたら解消しました。

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これで未塗装完成です。色はやっぱり黒ですかね? ダークグリーンあたりも似合うかもしれません。

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閑話数題(3) 三爪チャックとコレットチャック

旋盤で切削する材料をくわえるには普通三爪チャックを使います。旋盤買うとたいてい標準付属品でついてきますね。ただふつうの三爪チャックだと丸棒をくわえても芯が出ないので、段付き車軸など丸棒の芯を出した加工をしたいときは、四爪チャックでダイヤルゲージなどで測定・調整しながら芯を出すか、コレットチャックを使います。コレットチャックは少し調整すれば、1/20mm以下の芯ぶれで加工できます。模型程度の精度なら特に計測せずともまず芯は出ていると考えて大丈夫です。

ただこれも、三爪チャックで十分という方もおられるし、丸棒加工はコレットチャックばかり使うという方もおられます。私も最近はコレットチャック派です。コレットチャックは本来くわえる丸棒に適合した径のチャックが必要ですが、ERスプリングコレットチャックといって、1-0.5mmぐらいは径が自由になるチャックを使っています。
このチャックもユキワなどの日本製だと到底素人が手が出せる値段ではないですが、中国製の廉価なものをddx40aさんのお世話で揃えることができました。中国製でも精度は十分ですが、同じ中国製でもネットオークションで粗悪品を掴まされたという話も聞いたので、ご注意ください。

どちらがよいとは一概にいえないのですが、私が使っているML210では、三爪チャックでは把握力があまりつよくないので、10mmぐらいの真鍮丸棒を切削していても材料が回転してしまうことがあります。また三つの爪で締め付けるので、あまりチャックを強く締めると真鍮ロスト柔らかい材料では表面に傷がつくことがあります。
これらの特性を考えるコレットでないとできない作業のひとつはギアの中心孔径を偏心させずに拡げることです。三爪でくわえたのでは少し偏心しますし、チャックの爪で歯に傷がついてしまいます。

これまではエコ−のロスト製ドームの中心孔あけは、三爪チャックでくわえていたのですが、今回は上部のカーブを削り直すので、ヤトイにくわえるため芯を出したいと考えてコレットで削りました。また三爪だと表面に傷がつかないように紙や真鍮薄板を巻いて養生していましたが、今回は養生なしで大丈夫でした。

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ドームをコレットチャックにくわえます

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センタードリルで中心の孔を開けて

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1.6mmドリルで深穴を開けます。
孔を開けた後このままタップをドリルチャックにくわえてネジを切ってもよいのですが、ロストのねじ切りは強い力がかかるとタップが折れやすいので、手でもってタップハンドルにくわえたタップでゆっくり手応えを確かめながらネジを切りました。
また今回のようにロストのパーツに孔開けるときは、ステンコロリン赤より従来の切削油の方がよく切れるように思いました。なおロストパーツを切削したり孔を開けるときは切削油は必須です。使わないとドリルやタップを折りこんで泣くリスクが上がります。

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うまく芯が出ました。

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