閑話数題(5)キットの説明書はいつ読む?
先日某小メーカーの社長さんと話していて、話題になったのが「キットを組むときいつ説明書を読むか?」ということです。
私は、事前にひととおり説明書には目を通して、よくわからないところあれば実際に部品を並べてみて、頭のなかで段取り組んでから手を動かしはじめるのですが、ベテランモデラーには、説明書は読まずに手をつけて困ったら読むといわれる方も多く、説明書は全く読まないという猛者もおられるようです。そのメーカーのキットは説明書を読んで組めばよほどの初心者でない限りは、ちゃんと組めるはずなのに、ブログなどの製作リポートを読んでいると、本来の手順とは違った組み方をして調子がよくないと書かれてるのをみることが珍しくないとその社長さんはいわれるのです。
昔の鉄○模○社のキットのように説明書どおり組んだのではまともに組めなかったり、他社でも紙切れ一枚が入っているだけのキットを組んで育った世代のモデラーには、「説明書なんて意味なし」というのがディフォルトで頭にこびりついているのかもしれないです。
わたしの経験では説明書どおり組めばきっちり組み上がった最初のキットはエコ-モデルのCタンクのバラキットだったように思います。このときキットの説明書通り修正なしで組めばちゃんとできるキットができた!と強く感動した記憶が残っています。
最近のエッチングを多用したキットでは、ある意味パズルのようなものなので、自己流にアレンジしようとすると強度がなくなったり、うまく動かなかったりするようです。この手のキットを改造しようとするときは「組み立て説明書の行間を読む」つもりで取りかからないと巧く組めないようです。そういう意味でベテランモデラーでこういうキットは組む気がしないという方が多いのかもしれません。
Comments
何か自分の事のように感じて、少しコメントしますね。「キットは(高価な)素材である」という立場なので、素組みはしませんし、いじくりまわすことに楽しみを見いだしているので、取り説はざっと眼を通すだけです。しかし、ご指摘のような失敗が後を絶たず、最近は取り説はいつでも見られるようにしています。どうしてもブログには部品の不備等を書いてしまいますが、キットの悪口は慎むよう心がけています。それでも我慢出来ないと書いてしまいますね。以前自分のキットをリリースした時に、「果たして組めるか?」大変心配で、複数のモデラーが無事組んで頂いて安堵した事を覚えています。ということは、メーカーもキットの評価を気にしていると言うことなのでしょうね。それなら、かえってブログに評価をどんどん書いた方が良いのかも知れません。
Posted by: コン | July 05, 2016 01:09 AM
わたしもキットの素材化はやっていますが、巧妙に設計されたキットでは設計者の意図を無視して自己流で組むのはもったいないような気がします。せめてキットのメーカー指示はこうだが、気に入らないので変えたという認識が持てるようにキットは組みたいと思っています。
またキットの批評は、商業誌の製品紹介記事が頼りににならないので、どんどん書かれた方が、みんなのためになると思います。それでもみなさん求めるレベルは様々ですし、好みの問題もあるので、意図に反して悪口ととられることもあるのはしかたがないとは思います。
Posted by: ゆうえん・こうじ | July 05, 2016 11:50 PM
今回製品組み立てモニターを依頼されたと勝手に解釈してブログにかなり「正直な辛口ともとられるかもしれない」組み立て感想レポートをアップしましたが、それなりにメーカー社長にも喜んでもらえた様でして、まあ、それは発売する側のスタンスにもよるのではなかろうかという気がします。
Posted by: skt | July 06, 2016 07:05 AM