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JAMに行ってきました(2) クリニック

JAMのクリニックでは、馬場富士夫さんの「金属車両工作テクニック」と河田耕一さんの「中尾豊とその時代」を聴きに行きました。

馬場さんのクリニックでは、車体への帯板のハンダ付けのテクニックで、加熱するのをできるだけ局所に限定してハンダ付けしていくというのが新鮮でした。そのためにハンダゴテの先も工夫して削られているようでした。自分はできるだけ広く熱をまわしてハンダ付けすることが多いので、人によって技法は違うのだと思いました。また半田メッキは半田が流れた瞬間にズレることが多いので、馬場さんはお嫌いだそうです。馬場さんもおっしゃっていましたが、人の作品をみる機会はあっても、実際工作している所をみることはほとんどないので、こういう機会は貴重だといわれていましたが、私もその通りだと思いました。

河田さんのクリニックでは、「中尾さんは模型をアートとして捉えておられた」ということをお聞きしましたが、なるほどだと思いました。大昔、中尾さんがTMSに掲載された論文の要旨を解説していただけました。
その中で
・実感とは単に実物らしく見える、ということではない。 実物に対して抱いていく感動、記憶、連想の上に、モデルに接した際に起こる美的な感動である。
・縮尺は便利なものではあるが、立体表現の上で絶対出来なものではない。
・工作技術は必要だが過剰であってはならない。美的感受性とそれを実現する表現能力が重要である。
という3点は、中尾さんの模型の本質を突いていると思いました。

実例として7850の写真を出されていました。あの作品は以前大阪で開催されたJAMのときに拝見して、拙作の7850と並べさせていただいたことがあるのですが、中尾さんの模型は精密ではないのですが、そのデッサン力は素晴らしいと感じたのを思い出しました。

※8/24追記

河田さんの中尾さんがTMSに掲載された論文の要旨7項目を引用しました

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Comments

中尾氏の論文要旨の第1番めは、すごく共感します。ここで実物と言っているのは模型化の対象となった車両や風景のことではなくて、自分が見た記憶の中の実際の車両や風景のイメージ、印象のことを言っているのだろうと都合よく解釈しました。
精密なスケールモデルだけでなく、絵やスケッチのような模型作品も、もっと現れて評価されるようになれば良いなと思います。

Posted by: skt | August 20, 2019 08:51 AM

今回の河田耕一さんのクリニックの内容は、秀逸だったと思います。
スライドも重要と思ったものはスマホで撮ったのですが、そのまま画像を掲載するのはマズいかと思って、一部の要旨を打ち直してブログに掲載しました。最近学会では会場でのスライド撮影禁止ということが多いです。
是非元になった中尾豊さんの論文の再録含めて、TMSで河田さんに依頼して記事化してもらいたいと思います。

Posted by: ゆうえん・こうじ | August 20, 2019 11:39 PM

 要は、油絵か、それとも写真かということですね。
 凄く細かく出来ているようだけども、実物ってこんな形だったっけ?と感じる製品、作品があります。
 粗削りだけども、どきっとする作品もあります。

 もう一つのファクターも忘れないでください。それは実感的によく走るということです。起動時、低速から滑らかな加速をする車輛こそが実感を感じさせます。

 模型雑誌の記事で、それを書いてある模型には殆ど遭遇しません。

Posted by: dda40x | August 23, 2019 01:09 AM

今回提示した3点はは一般論ではなくて、昭和20年代に中尾豊さんが書かれてTMSに掲載された模型論についての話です。

勿論いくらカタチが良くて実感的であっても、走行性能も実感的でないとブチ壊しだというはdda40xさんのいわれるとおりだと思います。

河田さんは、中尾さんの模型感について以外の話題の時に、絵画は二次元で、動かない模型は3次元、鉄道模型は動くので四次元のアートだともお話しされていました。

これについてはまた項を改めて書きます。

Posted by: ゆうえん・こうじ | August 23, 2019 02:12 PM

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