8450をつくる(6)煙室戸の加工
8450のボイラー直径は、1/80で17.5mm 1/78で18mmぐらいになるようです。片野さんのスケールイラストでは19mmで描かれています。少し太めの方が力強くて感じがよいので、今回はボイラー直径18.5mm 煙室径18mmとすることにしました。ブラスモデルではボイラー内に煙室を差し込むのが通例なのでボイラーが煙室より1mm太いのがほとんどですが、ボイラーバンドを帯板で巻いたときは特に、実物に比べて太さの差がありすぎるので今回は0.5mm径の差で作ることにしました。
珊瑚の8100のキットは、実物は19mmですが少し太めで20mmで設計されています。今回は8100のパーツを利用することにしたので、旋盤で外径を19.2mm->18.4mmフランジ部分を18mm->17.6mmに削りました。
そのままチャックにくわえるわけにはいかないので、次のように加工しました。旋盤に真鍮丸棒をくわえて、煙室戸パーツの中心に空いている1.2mm径と同じ穴をあけて、煙室戸に1.2mm真鍮線を差して、ロックタイトで固定しました。
この状態で突っ切りバイトを使ってフランジ部分を削りました。
削った後はヤトイの丸棒ごと取り外して、バーナーで炙ってロックタイトを外しました。
珊瑚のパーツは外周のリベットの外側に余白?が多いので外径を削るとちょうど良くなります。
中澤 寛 氏を悼む
扉の開く路面電車の製作でご高名な中澤 寛さんが、お亡くなりになったそうです。
Amtrak のEmpireBuilderに乗る米国大陸横断旅行で、帰路のシカゴの空港で倒れられたとお聞きしました。
以前からブログやフェイスブックなどのネット上ではやりとりさせていただいておりましたが、今年10月の関東合運ではじめてお話しさせていただき、また鉄模イベントでの再会をお約束したばかりでしたので、非常に驚いています。
中澤さんの作品は扉の開閉が有名ですが、走り装置にも非常に工夫があり、関東合運でもデモ用に作られた凸凹クネクネの線路の上を車輪が吸い付くようにして電車が電気的にも機械的にも安定して走っていくのを見せていただき非常に感動しました。また当日はメカを解説された写真やイラストを載せたパネルを数枚持参されており、それを見せながら解説していただけました。その中にはTMS8月号の記事で不本意にもボツになった写真も含まれていました。模型だけではなく、他の人に説明するときのプレゼンテーションの方法を教えていただいたと思います。自分もKKC作品展のときはあそこまで説明準備はしてなかったので、今後の参考とさせていただきたいと思いました。
模型の対象は違っていましたが、形態だけではなく 走る模型 メカやその理論を考えた模型を作っておられたので、お話しを聞かせていただくのが楽しかったです。
ご冥福をお祈りします。
今月号のTMS
今月号のTMSは、栗原さんの9800形マレーの記事がよかったです。栗原さんが書かれた図面や工作方法のイラストが載っているのが、以前のTMSとは違ってきたことを感じさせました。まさかロッドの溝を自分でヤスリの角を使って掘られたとは思いませんでした。
石島さんのダベンポートの機関車の解説もよかったです。ただあの信濃鉄道や筑前参宮鉄道の機関車そのまま模型化したのではカーブ曲がらないでしょうね。模型ではメーソンボギーのように主台枠を振らせてボギー化するしかないと思います。
とにかく誌上に写真ばかりでは解説イラストや図面が増えているのがよいと思います。
小池さんの宙返り電車もおもしろかったですね。また自作ラックレールの製作方法も目からウロコものですね。
TMSコンペの発表がありました。拙作の7000形は準佳作をいただきましたが、講評に準佳作クラスが今ひとつ精彩を欠くと書かれていましたが、私の出品作にも当てはまると思います。汗顔の至りです。
今年からまた入賞作品の展示会をやるそうで、その作品展示の許諾の往復はがきがとどきました。勿論協力させていただこうと思います。今年のJAMのTMSブースでも石井さんのレーザーカットストラクチャーと小林さんのNゲージスクラッチ蒸機が展示されていて、実際に現物をみることができたのはよかったです。やはり誌上だけではなく実際に模型の現物を見れるのはよいことだと思います。欲をいえば、コンペだけではなく、一部だけでもTMS掲載された模型が一定期間展示されるような場所が、渋谷のイモンあたりにできればよいと思います。
TMSコンペの作品展は、1月中旬にイモン渋谷店で開催される予定だそうです。1月末には東京出張があるのですが、日程があわないのが残念です。
米国型機関車の部品図面集 Locomotive Cyclopedia of American Practice
米国型蒸機の技術解説本です。機関車の組立図も載っていますが、大半は部品図集です。
復刻本で複数の出版社から出ているようです。
私はAbebooks(Amazon 傘下の国際的なネット古書モール)を通して、イギリスの書店から買いました。
イギリスから買うのは本の送料が安いからです。
今回見たかったのは、この米国型蒸機についているPyle型の発電機の図です。
日本の制式機についているタービン型とはかなり形態が違うようです。
山陽鉄道の大きな電灯ヘッドライトの後についている発電機もおなじような形態だと思います。
ヴォークレイン複式のシリンダーブロックの図もありました。
日本の米国型古典機の図が載っているわけではないですが、写真をみても形態がわからないとき参考になります。
中村精密Cタンクフレームの加工
一時ネトオクに大量出品された中村精密の自由形C2タンクの下回りをコンさんが加工されたので、頒けていただきました。
コンさんは横フライスでざくっりと加工されたようですが、手工具ではなかなか大変です。
後がオリジナルの17.5mm動輪つきで、手前がコンさんの加工品に天賞堂の14mm動輪をはめたものです。
コンさんが意図された米国型モーガルの下回りだけでなく、7000番台の英国型サイドタンクつき機関車 7450形の下回りあたりになりそうです。
今回のKKCモーガル競作はすでに8450形でエントリーしていますので、また後日の製作ネタにしようと思います。
8450をつくる(5)組立図 ヴォークレインシリンダー
先日H御大のお宅で、畏友のUさんにお会いしたときにたずねたら、やはり8450形の実物組立図をお持ちでした。ということで、そのデータをいただきましたが、これまで、見てきた図面と大差なくてほっとしました。
またその組立図をみていると、ヴォークレン複式のシリンダーブロックは、普通のピストンバルブの機関車と違って、低圧と高圧のシリンダーが少しシリンダーサドルより飛び出しているのがわかりました。この写真をみて、それを疑っていたのですが確信が持てました。
Classic American Locomotives: The 1909 Classic On Steam Locomotive Technologyp332より引用 ISBN 1-59008-054-4
8450をつくる(3) サイドロッドと主台枠
ミニダックスに引き続き8450もサイドロッドを作りました。主台枠は数年前に珊瑚模型で購入した8100形用パーツを使用します。
サイドロッドは、t1.0の洋白板を加工しました。ボール盤でクロステーブルに材料を固定して、テーブルの送りで孔を開けたので、軸距は正確で一回で出来上がりました。実物同様に第二動輪のクランクピンのすぐ後に関節をいれています。8100形用のロッドも珊瑚製パーツは買ってありましたが、8450形とはロッドエンドの形が違うので新製しました。
珊瑚の8100形のキットのオリジナル設計はは先台車もイコライズするようになっていますが、先輪にイコライザーで軸重をかけると動輪上重量が減少してしまうので、第一動輪は中央の一点で支えるように改造しました。第二・三動輪はキットオリジナルの左右でそれぞれ一点として、機関車本体は三点支持にしました。先台車はバネで脱線しないだけの必要最小の軸重をかけることにします。先日お邪魔した軽井沢のTYさんのところでは、珊瑚の8100形のキットを同じように先台車を外した三点支持に改造したら、牽引力が約1.5倍になったそうです。
なおこの台枠の動輪間の軸距は、23mmで8450形としてはスケールより約1mm長いのですが、動輪も直径でスケールより0.5mm大きいのでちょうどよい感じです。
またシリンダー取付部と第一動輪上の横梁は新製交換しました。主台枠後部も8100と8450形では形態が違っていますが、この部分は後で改造します。
ギアボックスは、珊瑚のA8用ギアボックスを使いました。モーターはKKCで配布された中国製の小型強力モーターを使うことにします。
今回の8450は珊瑚の8100形などのパーツを多用したいと思います。自分も模型終活というには、まだ早い歳ですが、そろそろ高校生のころから罪庫しているパーツ類使っていかないと、不燃ゴミ化しかねないので、これからはストックパーツを積極的に使って製作していくつもりです。
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