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模型としての割り切り構造

20200726-19-57-33

 

 

実物の米国型のキャブは、側面からの見かけ上のキャブの床板部分には椅子がのっていて、中央部分は低くなってテンダー床板と同じ高さであり、この部分に機関助手 Firemanが乗って石炭を焼べるようになっています。ところが模型では左右の床板が一体になっていた方が、強度的にも工作上も都合がよいので、キャブの床板は中央でつないで左右一体に作ることはよくあります。今回の8450形もそのように作っていますが、実物では中央の部分はありません。またこの本来のキャブ中央床板部分には機炭間ドローバーの止めねじなどがあることが多いので、むしろダミーの
床板を見かけ上のキャブ床板部分につくって、キャブ後面の開口部だけ切り欠いておいた方が模型としては都合がよいと思います。

また実物ではブレーキロッドが中央1本の機関車も多いです。今回の8450形は実物の構造はよくわからないですが、8000番台のボールドウィン製のテンダー機関車では、かつて鉄道史料40号に掲載された臼井さんのブレーキ装置の解説記事によると中央1本のものが多いので、この機関車もおそらく中央1本だと思います。ただ実物どおりに作ると ギアボックスや動輪押さえ板の止めねじに支障するので 左右2本として作っています。

走り装置を実物どおり作ったのでは、よく走る模型はできないといわますが、材料の板厚や線径だけでなく形態もそのままの構造で縮小して作ればよいというわけではないと思います。走る鉄道模型はソリッドモデルと違って、模型としての強度や工作やメンテナンスのしやすさを考えた構造がよいと私は思います。とはいっても実物の構造を調べないで、適当に作ったのでは、手抜き工事としてしか評価はされないと思います。

 

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