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熱海のスチーム・トラム(3) サイドロッドをつけました

サイドロッドはキットオリジナルは軸距が12mmであり、今回は14mmのNパワーを使ったのでキットのパーツは使えません。というわけでキットのロッドや床板などの洋白エッチング板のランナーから削り出して自作しました。

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輪心は、ナローガレージのNパワー用の3Dプリント製純正輪心パーツは使わず、キットのホワイトメタル製輪心を使用しました。ただこのパーツは、トミックスのDE10の車輪用パーツで直径が小さいので、0.8幅t0.2の帯板を丸めて周りに挿入してロックタイトで固定してあります。輪心はゴム形接着剤で車輪に接着しました。これは今回はギア連動なので、大体目分量で位相を合わせて接着して、硬化するまでの時間に通電して動輪を回して調整するという横着な方法をとったからです。ただしこれでもよく回ります。

ロッドピンはIMONの六角ネジを使いました。これは本来リターンクランクとエキセントリックロッド を固定するためのネジらしいです。使用するのは偶数のはずですが、5個入りで売られているのは、紛失しやすい極小パーツなので予備ということでしょうか?それならうれしい配慮だと感じました。

なおメインロッドとシンダーはほとんど見えないのと、金属輪心使ったため左右の絶縁が必要なので省略することにしました。

 

 

少し肩を揺らしますが、よく走ります

Nパワーは集電ブラシの調整でかなり走行状態が変化するようです。車輪裏面ボスに当てるブラシ圧力を強めにすると、線路への車輪の追従がよくなって集電が改善するように思います。ただしそうすると少し肩を揺らすような感じです。ちょっとしたブラシの当て方で起動電圧やスローの状態がかなり変わるようです。結構調整が微妙で、車輪裏面に集電ブラシを当てる初期製品の時はキットも発売されていましたが、最近は完成品だけなのも納得がいきました。

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高効率ギアボックス(2) ギア位置出し治具をつくる

高効率ギアボックスですが、パイプで軸を延長したのでは、いろいろ工夫しても芯ぶれがとれず振動が出てしまうので、この高効率ギアボックスを生かし切れないようです。パイプでウォーム軸を延長というのは旧来からおこなわれてきた手法ですが、今回は精度がヒトケタ違うようなので考え直した方が良いようです。

というわけで6200への搭載はもう少し考えることにして、dda40xさんのブログにある治具を作ってみることにしました。私は万力でコンさんの治具を使うか、旋盤に自家製ジグを装着して芯押し台で圧入して組み立てるので、ギア位置を出す治具のみを作ることにしました。これまでギアの位置出しは、車軸にローレットを切っていましたので挿入後ノギスで計りながら圧入微調整していました。しかしこのギアはローレットを切って挿入するのは禁忌のようで、ロックタイトでの固定が指定のようですのでこの手は使えません。ちょうど適当な径の真鍮丸棒を切らしていたので、何か適当な材料はないかみていると モノタロウで売っているM10の真鍮ナットが目に止まりました。

位置出しジグの厚みは、(バックゲージ14.5ーギア厚3.0)/2=5.75mmとなります。

またブログでは治具中央にφ6.0のベアリングを逃げる孔が必要とありますが、軸箱可動式の蒸機の場合は軸箱を逃げるもう少し大きな孔が必要です。HO/16番で一般的なφ3.0車軸用の5mm角つば付きオイルレスメタル軸箱では、長径が約8.5mmあります。このナットでは中心のネジ部分の内径が8.5mm前後なのも好都合でした。

なおこのナット 厚みは公称6.0 ですが実際入手してみると5.83mmでした。最初は旋盤で厚みを削ろうとおもっていたのですが、削りシロが0.08mmぐらいでしたので、大きな平ヤスリの上にのせてざっと削って、仕上げは定盤の上にサンドペーパーを敷いて、厚さが5.75で公差がマイナス0.02以内に収まるように研磨しました。もちろんギア嵌めた軸が抜けるように、U字形に切り込みをいれました。これなら旋盤を持っていない方でもこの治具が製作可能だと思います。

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PWM制御と電圧制御切替式パワーパックをつくる

秋月電子から出ているロングセラーの電子組み立てキットで、PWM(スイッチング方式)DCモーター速度可変キットがあります。これは12Vの電源がそのまま使えるので、鉄道模型のパワーパックの制御回路としても好適です。

私も以前このキットを購入してPWM制御のパワーパックとして使っていましたが、今回Desktop stationさんのピュアアナログアダプターの互換基板(ノラ版)を付加して、PWM制御と電圧制御を切り替えて使えるパワーパックに仕立て直しました。

以前は、電池ボックス内蔵のケースに入れていましたが、かさばるのと最近は乾電池より、携帯用のモバイルバッテリーから電圧昇圧ケーブルで電源をとることが多いので、今回は電源は内蔵していません。ショート対策も電源の方の保護回路が働くようなので、今回は省略しました。

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なおキットは下記のように改造しています。
ボリュームは基板上のボリュームは使わず、スイッチつきボリュームを外付けにしました。
PWM周波数が約10kHzで少し耳障りなのと、コアレスモーターには周波数が低くて不適当なので、約30kHzに変更してあります。これはキットのC1コンデンサーを1000pFから330pFに交換してタイマーICの発振周波数を変更しました。
またこのキットは、PWMのデューティー比が2-99%の可変で、0%にはなりません。キット説明書にはモーター制御では問題ないと書かれていますが、小型のコアレスでは回転が停止しないこともあるので、R1とR2-FETゲートの間にスイッチを入れてオンオフすることにより、0%出力になるようにしました。このスイッチは、スイッチつきボリュームを使って、ボリュームが最小のときオフになるようにしています。

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秋月電子のキット説明書より引用 追加注記

 

ピュアアナログアダプターは純正どおりの回路をユニバーサル基板上に組みました。ただチョークコイルの距離はもう少し離した方がよいかもしれません。

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タカチのアルミケースに納めました。左の基板が秋月のキット、右端の基板がピュアアナログアダプターの基板です。

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左のトグルスイッチが、中立オフつきの前後進切替用です。

右の4回路2接点のトグルスイッチが、PWM制御と電圧制御の切替用です。上側に倒すと走行電流がピュアアナログアダプターを経由して平滑直流に変換して出力され、下側に倒すとバイパスしたPWM電流が出力されます。

 

出力電圧の波形を簡易オシロスコープで観察してみました。

 

PWM制御方式の電圧波形です

 

電圧制御方式の電圧波形です。元のPWM波形が歪んでいるためかノイズが混入しています。

簡易オシロをiPhone手持ちで撮影したので動画が揺れて申しわけありません

電圧制御といっても、トランジスタやFETを使って降圧しているわけではありません。PWM制御の方形波の直流電圧に強いローパスフィルタをかけて、平滑な直流に変換しています。トランジスタなどで降圧すると、抵抗制御とおなじように下げた電圧分の電力を熱で放出してエネルギー浪費しますが、このフィルタ方式だとその無駄ありません。といっても効率は100%にはなりませんが、バッテリーの保ちはかなり違うはずです(まだ条件を揃えた実験していないので、エビデンスがありません)

 

 

 

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「汽車のえほん」小研究1

エンジニールなどの作者である漫画家の池田邦彦さんが、機関車トーマスの原作となったオルドリー牧師の「汽車のえほん」に登場するロコのプロトタイプとなったロコの、その背景になる史実や実物の構造について書かれた本です。今回は紙の書籍ではなく、アマゾンkindleの電子書籍のみとしての出版です。
トーマス好き、英国型好きの方にはお勧めしたい一冊です。

Ikedakisya

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高効率ギアボックス(1) 6200への搭載検討中

dda40xさんから、動輪からの逆回転も可能な、HO用高効率ギアボックスを頒けていただけました。

ただそのサイズからみて、動輪径はφ17.5 以上ないとギアカバーが収まらないようです。というわけで、当鉄道の古典蒸機では搭載可能な車両は限られますが、以前から動力改修を考えていたトビーの6200に白羽の矢を立てました。この製品の寸法は、ほぼTMSスタイルブックどおりなので、その上にギアボックスとモーターをのせて検討してみました。

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モーターはトーマモデルワークスのφ8 16mm長コアレスモーターを使用してみようと思います。かなり小型のモーターですが低速からトルクがあり、前作の西大寺コッペルでも好結果を得たモーターです。無負荷回転数も12,000rpmと低めです。ただしギア比が、3/23なので少し高速になりそうですが、 DCCデコーダーを搭載してBEMFフィードバックをかけたPWM速度制御で使えばあまり問題ないと考えています。

KMさんが先日同じ製品を改造されていたのをツィッターなどで拝見しましたが、IMONミニモーターを搭載されていて、ペーパー客車5,6両を楽々牽いていたようなので、モーターのパワーは大丈夫かなと思っています。今回は動輪のゴムタイヤ化はおこなわない予定です。

本来なら、六角ジョイントを入れてモーターと連結すべきですが、そうするとスペースが厳しく、横からみると何とかキャブの幕板には隠れてみえませんが、オープンなキャブ内にモーターが露出してしまいます。またトビーの製品の構造上の問題で、後端梁付近を大改造する必要があるようです。今回は写真のように直結モードで使わざるを得ないかと思っていますが、これはもう少し検討してみます。ただし直結で使うと本来のdda40xさんの設計思想からは少し外れるので効率化が少し低下してしまうかもしれません。トルクアームは設けず、釣り掛け式でモーターとギアボックスを接続し、モーター後端を主台枠から弾性体を介して支持する予定です。

とりあえず、搭載機を検討中と報告しておきます。

☆画像追加

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製品オリジナルのの軸受取付板でモーターの尻が上がっていますが、これは撤去するので、モータ−は水平になります。

イコライザーが当たるので、ギアボックスは幅を削る必要がありそうです。

ギアボックスとモーターの上部にスペースできるのでウェイト積めそうです。

 

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熱海のスチーム・トラム(2)

煙突などをつけました

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屋根の支柱は、最後尾のみキットのパーツを使用し、側板前後の支柱は、0.8の真鍮角線から自作しました。

上回りは、キャブのディテールをどの程度作り込むかが悩ましいところです。

下回りはサイドロッドだけにして、他は省略しようか?やはりきっちりシリンダーやメインロッドも作ろうか迷っています。

ボディーを載せてやると動輪上重量が増えるため、Nパワーの集電も安定して1.5Vぐらいで調子よく走ります。

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熱海のスチーム・トラム(1)

仙台のK御大が、スチームトラム組まれたのに触発されて、私も仕掛かりのスチームトラムに手を出しました。

今回引っ張り出してきたのは、10年以上前 銀座軽便倶楽部から発売されていた 豆相人車軌道(熱海鉄道)の1号機です。オリジナルのキットは、トミックスのDE10の三軸台車を改造して使う設計で走りがイマイチだったので、放り出していました。走行性能のよいナローガレージの動力装置Nパワー(NP-1407)がちょうどボイラー内に収まったので、これを利用してもう一度組んでみることにしました。

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煙突類はまだ取り付けていません。

なおこのキットHOe(1/87,9mmゲージ)を謳っていますが、金田さんの「ボールドウィンの小型機関車」の形式図から推定すると、縮尺は1/72ぐらいのようです。

 

 

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三軸台車の非固定化

珊瑚の日鉄用客車用三軸台車は、オリジナルは3軸固定(下図右)です。フルイコライズとはいきませんが、下図左のように可動化しました。台車枠を二つのマクラバリで支持し、それを中央の板で受けています。オリジナルだと最悪3つの車輪しかレールと接触していませんが、改造により最悪でも片側2つずつ、4つの車輪がレールに接触します。本格的にやるのなら中央軸に上下動を与えて弱いバネで圧着すれば、6つの車輪がレールに接触することになりますが、今回はピボット車輪で走行抵抗を下げたかったので、そこまでやっていません。

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マクラバリは、t0.5の真鍮板から切り出しました、保管中縦置きにしても車両の重みで変形しないように中央部は、二枚重ねとしました。マクラバリと中央の支持板の間には、小ワッシャをいれて、台車の捻れに対応しました。

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エッチング板貨車を組む(5) Rail classic のワフを改造する

Rail Classic のワフですが、そのまま組んだのでは、西武などの私鉄風のワフになってしまいます。まあそういうコンセプトの製品だから、当然なのですが、私の鉄道には似合わないので、側窓つきの緩急車に改造することにします。

Railclassic2

下が製品オリジナル、上が改造案です。

Rail Classicのキット組立説明書より引用、加工しました。

貨車略図明治44年版に掲載されているワフ2700形(英国メトロポリタン社製)を参考にデザインしました。英国製を参考に日本の自社工場でコピーして製造したという想定にでもします。

 

 

 

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