もうレガシーなシステムとなってしまいましたが、天賞堂から発売されていたSL-1というアナログサウンドシステムがあります。
仕組みはDCCサウンドのように車内に音源を持つのではなく、コントローラーに音源が内蔵されており、レールに走行用の直流と音声電流を流して、車内のスピーカーから音をだすというものです。機関車の速度は動輪に取り付けたカムでレールに流れる信号電流をショートさせて動輪の回転を検知して、ブラスト音を同期して発生させる仕掛けです。
現在はもう天賞堂からも発売されていませんが、DCCサウンドが普及する前は蒸機のサウンドではこのシステムがピカイチだったので、採用されていた方も多いと思います。私も40-20年ぐらい前に作った機関車はこのシステムを搭載していました。一時はDCCサウンドへの全面切替も考えましたが、載せ替えの工作時間とサウンドデコーダーの費用を考えると非現実的なので、そのまま使っています。
今回このサウンドシステムを搭載した7750と7850を再調整するために2年ぶり?ぐらいに引っ張り出してきましたが、メインボリュームがガリガリになっていて雑音が入ります。接点復活剤を使用しても完全には改善しないので思い切ってボリューム自体を交換しました。ただボリュームの軸の形状が違うので、もとのツマミが使えなくなりました。安価な黒色のツマミ使ったため高級感?はなくなりましたが、回転位置の視認性はよくなりました。
そのとき中を開けましたので、画像でご覧にいれます。
操作パネル裏側の基板です。
中央より左側が走行電源と動輪回転検出回路、右側が汽笛などの効果音発生回路と思われます。
DCCサウンドのようにメモリに編集した実物音が入っているのではなく、発振回路でつくった疑似音を合成しています。
左上の銀色のボリュームが今回交換したメインボリュームです。
本体の中はガラガラで、中央に電源トランスが鎮座し、右側には大きな電解コンデンサーが見えます。
最近のコンパクトなスイッチング電源を見慣れていると、いかにも昭和を感じさせる構成です。
本体の上に乗っているのはオプションのリバーブユニットです。中にスプリングリバーブとアンプが入っています。これは山間に響く汽笛音を演出するためのエコー装置と謳われていますが、電子音で合成した汽笛などの音に倍音を加えることにより実感的な音に近づけるというのが、本当の目的だと思います。これをつけないとこのシステムで合成される汽笛やドラフト音は味気ない音になってしまいます。オプションではなく、標準装備で内蔵した方がよかったと思います。
この装置も購入後40年近く経過していますが、使用頻度が少なかったため、高品質の日本製のコンデンサーなどを使っていることもあって、今回交換したボリューム以外に特にガタはきていません。とはいってもほぼ毎日使われているH御大のところの同型機は満身創痍で何度も入院を繰り返しているようです。もう生みの親の天賞堂は面倒みてくれないので、電気に詳しい某氏が何度も蘇生させたそうです。
この方式のサウンドを発売しているメーカーはないようなので、今後のことを考えて、互換機を開発しています。もう10年ぐらい前に互換機つくられたAOさんに教えていただいて、数年前から取りかかっているのですが、電気の素人なので何度も壁に当たってあまりすすんでいません。ただサウンド発生部を高機能なDCCサウンドデコーダーを利用することにより何とか実現の目処が立ちました。また実用レベルになったらご報告します。
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