« 高機能パワーパック(1) | Main | 西大寺風ミキストを作る(12) 客車デッキに自転車を乗せる »

簡易牽引力測定装置

20221201-13-05-22

先月のKKC総会でHさんに、ニュートンメーターという電子はかりが動力車の牽引力測定に使えることを教えていただきました。これは学校の理科実験用教材の電子はかりで、軽いもの(2Kg未満)が測定できます。値段も¥3,900(税別)とお手頃です。「計量法の検定を受けている秤」ではありませんが、そういう秤とは一桁価格も違います。ノギスでいうとミツトヨのデジタルノギスに対して、ホームセンターで売っている廉価なデジタルノギスのような位置づけの製品かと思っています。

製品にはフックがついていますが、そのフックの根元には3mmネジが切ってあるので、ケーディーカプラー取り付け用アダプターを作りました。3mmネジの頭の部分を半分に削ってそこに、カプラー取付用ネジを切った真鍮板をはんだ付けしています。

20221201-15-28-27

20221201-15-26-31

20221201-15-27-19

本来なら、スロットルを上げていって空転し始める直前のタイミングで牽引力測定すべきなのでしょうが、液晶モニターを目視確認するためか 値がばらつくので、Sashiさんがされたように機関車を空転させた状態での牽引力を測定してみました。

とりあえず下記の6両の空転時牽引力を測定しました。

最後の欄が森井さんのアドバイスで算出した牽引力と車重の比率です。gはNに換算して単位を揃えています。

  軸配置   測定値(N) 重量(g) 備考  
自由形モーガル 2-6-0 DCC 0.26 196   0.13
6200 4-4-0 DC 0.26 196 高効率ギア 0.13
6500 2-6-0 DCC 0.57 259* ゴムタイヤ 0.22
7750 2-6-0 DC 0.48 265*   0.18
7850 2-6-0 DC 0.47 267*   0.18
9200 2-8-0 DCC 0.51 342   0.15

*自重はテンダーを含まない機関車本体の重さですが、6500,7750,7850はテンダーの荷重を機関車本体にかけているので、実際の動輪上の軸重合計は大きくなると思います。したがって牽引力と車重の比率はもう少し小さくなるはずです。また今回は先輪の軸重は考慮していないので、自重と動輪上重量は異なります。

第二動輪の両側にゴムタイヤをつけた6500は、牽引力と車重の比率が突出していますが、それ以外は、0.13〜0.15あたりになるのだと思います。

なおDCCデコーダーはすべてBEMFによるPI制御をオンにしてあります。

今後また測定を続けて、報告していきたいと思います。

※追加

ニュートンメーター裏蓋開けてみました。自己責任です。

20221201-18-41-13

フォースゲージは、しっかりした金具で本体に固定されています。

|

« 高機能パワーパック(1) | Main | 西大寺風ミキストを作る(12) 客車デッキに自転車を乗せる »

Comments

瞬時値を読取り難い場合は、空転させて計測するのが、再現性良くて良いでしょうね。
データも安定していますね!

なお、ギアの違いによる「牽引力と車重の比率」は、ほとんど無いと見て良いでしょう。
トルクムラなどが発生するような状態でも無い限り、この比率自体は、材質と表面状態による「動摩擦係数」になるはずですよね。

時々、摩擦係数が高い機関車が見受けられますが、フランジに掛かる横圧が高いと考えられますので、脱線しやすい機関車となりかねませんしね。カーブなどは要注意です。

Posted by: 廣瀬 | December 01, 2022 06:08 PM

バネばかりのように最大値を記録する機能は備わっていないのでしょうか?
負荷に対してモーターのトルクが負けることは考えにくい模型では停止状態の機関車で静摩擦力と動摩擦力を測定することで牽引力に変えられないでしょうか?
森井さんが測定された実際にトレーラーを牽かせた時の牽引負荷の変化のグラフはとても面白かったです。

Posted by: sktrokaru | December 01, 2022 07:17 PM

廣瀬さん  sktrokaru さんコメントありがとうございます。

この秤には最大値記録機能はついていません。HOLD機能があるので、目視で確認してボタンを押すしかないです。

もっと高度な機能を持たせたいなら、高機能な測定器を買うか、自分でフォースゲージを使って自作するしかないと思います。

中を開けてみると、フォースゲージのアンプは分離しておらず、電子秤用?ICですべて処理しているようなので、改造も困難と思います。改造するなら基板ごと新製するしかなさそうですし、そこまでやるなら最初からスクラッチした方がよさそうです。

実は私も小型フォースゲージを使って、車載型の牽引力測定装置を計画中です。パーツは集まりました。こちらは自由にプログラミングできますので、もっと高機能にできると思います。

Posted by: ゆうえん・こうじ | December 01, 2022 08:46 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 高機能パワーパック(1) | Main | 西大寺風ミキストを作る(12) 客車デッキに自転車を乗せる »