9600(1)キャブに姑息治療を施す
クラブのお題がD型蒸機に決まって、コンさんが9550を計画しておられるわけでもないですが、私も作りかけというか、D型蒸機のロンビックイコライザーの試作で台枠だけ作りかけた サンゴの9600 二軸テンダーのキットがあったのを思い出しました。
このキットが罪庫化していた原因のひとつは、キャブの形態です。サンゴのSキャブは基本設計が、標準型のパーツを共用しているためか、キャブの形態がイマイチです。
本来なら根本治療で、キャブ全体をスクラッチで作り直すのがベストなのでしょうが、リベット打って折り曲げてと考えるとやる気が起きませんでした。姑息治療でキットのオリジナルパーツを使って何とかならないかとやってみました。
キットのパーツを9600の組み立て図にあててみると、前後方向が1mm短く、上下が1mm長くなっています。そのためかなりキャブが縦長になり全体の印象が違うのだと思います。組み立て図はクラーケンさんのブログに掲載されているものをダウンロードしました。この図を144dpiに変換して、プリントアウトするとちょうど1/80の寸法になります。
また窓の寸法が、9618以降の二つ窓タイプと同じなので、かなり感じが違います。そこで窓の寸法を水平方向を0.8mm拡幅してみました。前窓は前方に0.8mm 後窓は前方に0.2mm後方に0.6mm拡げました。垂直方向はボイラー中心が1mm上がっているが、キャブ床板とテンダー床板がほぼスケールどおりの高さなので、それをキャブの上下寸法で調整するという設計だろうと思います。標準型のキャブではあまり縦横比の変化が目立たなくてよかったようですが、Sキャブでは少し目立つように思います。人間の感覚は長さの絶対値に対してはあまり敏感ではありませんが、割合とかには敏感なので、こういう縦横比の違いも気になるようです。
キャブ下は1mm幅で切断しました。裾のSカーブはまだ未修正ですが、かなり感じがよくなったと思います。
右が加工前、左が加工後です
窓枠の一部が欠損していますが、窓枠はエッチングの表現では弱く上に窓枠を貼り重ねるつもりだったので、その加工をすれば欠損部は見えなくなります。
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