« July 2023 | Main | September 2023 »

阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(10)上等車

オープンデッキの上等車です。とはいっても、こういうスタイルの車両は初期の京阪神間の鉄道には存在しなかったので、フリーランスです。模型はトビーの古典客車の上等車を短縮改造しました。実際に存在した上等車は中等車と同じスタイルで側扉二枚ついているのが違うだけのようです。とはいってもスタイルがほぼ同じで側扉の数が違うだけではまだ等級帯もない時代なので、見た目が単調になります。そこで模型編成としてメリハリをつけるためこの車両を編成に組み込むことにしました。

20230824-11-21-23

側面の歩み板もこの車はなしにしました。したがってこの車両だけは床板は左右分割ではありません。

車両デッキのステップは二段としましたが、他の車の歩み板とおなじく、実物とは異なった模型としての強度重視の構造としました。

下のステップはφ0.6の真鍮線をU字型に曲げて、万力で押しつぶして帯板状にして曲げたものに、踏み板をハンダ付けしました。上のステップはアングルから加工して台枠の裏にハンダ付けしてあります。日本から米国に輸出したブラス製の客車でこういったステップのついた製品をもっていますが、実物同様の構造で帯板と踏み板をハンダ付けで組んだ構造ものは40-50年程度経過するとハンダ付けが劣化して、経年変化で壊れることも多いようです。ロスト製のステップは壊れませんが、曲がりますね。(ロストパーツは硬いより柔かい方が折れなくてよいみたいです。)

20230824-11-22-35

私は実物どおりの構造より、ふつうに手で持っても壊れないような強度をもった模型をつくる方針でやってます。

台枠側面のディテールは他車と同じパーツを流用したので、いろいろ矛盾がありますが、精密感?は出ましたのでヨシとしました。編成の中でこの車の台枠のみのっぺらぼうでは違和感がありました。

カプラー取付台とバッファーを取り付ければ完成です。

 

| | Comments (0)

綿棒メッキ改良?案

以前綿棒を使ってメッキする方法を報告しましたが、もう少し格好よくコンパクトにならないか工夫してみました。

20230821-1-26-32

20230821-1-35-21

ハトメを先をヒートン状(?形)に曲げた真鍮線にハンダ付けし、これに綿棒を差し込みます。

今回のものはこのハトメが綿棒への電極(陽極)になりますので、トビカやラッセンといった導電性がある炭素塗料を厚塗りしておくのがミソです。ハトメが真鍮地肌のままでは、真鍮が析出してしまうのでうまくいきません。

またメッキしているときは、メッキ液を綿棒がヒタヒタになるぐらい十分補給してやるとキレイにメッキできます。

メッキする材料に電線を固定するには私はICクリップを使っていますが、ワニグチクリップなどでもよいです。

追記

今回使ったマルイ鍍金の黒メッキ液の小瓶(18ml)ですが、同社HPのラインナップにはありますが、市場では見かけないようです。50mlは在庫のあるネットショップもあるようです。

まためっきペンとか便利なものもいろいろ出ているようです。私の方法は小回りの利くコスト削減の簡易法ということでみてください。

 

 

 

 

 

| | Comments (0)

あれこれ 旧マッハ模型の小分け品

今年のJAMは久保田さんの話を聞きに行きたかったのですが、都合がつかず 自宅で、客車の塗装と120の塗装後仕上げ作業してました。

今日は客車の塗装していたのですが、午前中洗浄作業で午後塗装となり、開始時間が遅くなったのと黄色いウォッシュプライマーの手持ちがあまりなかったので、ミッチャクロンで塗装することにしました。ただ透明なので、塗膜の厚さがわかりにくく、やはり黄色いウォッシュプライマーの方が使いやすいと思いました。

数年前に購入したスプレー缶がやっと空になりました。といってもあのスプレー缶では鉄道模型塗装には不向きなので、一旦小瓶に出してシンナーで希釈します。その時にモノタロウのブレーキクリーナーについてくる2wayノズルを転用すると便利でした。
ミッチャクロンは旧マッハの小分け品もありましたが、入手性が悪いので私は容易に入手できて量も420mlと適量なテロソン発売のスプレー缶で買っています。比較的入手しやすかったガイアノーツのプライマーもミッチャクロン・マルチの小分け品だったようですが、最近トルエン・キシレン抜きの品に変わったらしく、ミッチャクロンマルチではなくなったようなので、今後もテロソンのスプレー缶を購入することになると思います。3.7Lの缶入りは多すぎます。

20230820-20-02-57 

塗装後手袋してなかった右手に塗料がついてしまいましたが、以前購入していたマッハのキングフレッシュを使って手の汚れを落としました。これはIMONには引き継がれなかったようです。ただキングフレッシュ自体は、引き続き販売されていますが、販売単位が大きくちょっと買いづらい量です。やはりマッハ模型の小分け商売というのは、モデラーにはありがたかったですね。
キサゲ刷毛やLPSの小瓶などはIMONに引き継がれましたが、引き継がれなかった商品も多いようです。ピッカフェルトもその一つで、私は重宝していました。これは研磨用品というより、何か工業用のフィルターらしいという噂は聞いたのですが、正体は不明です。もし正体がわかってもおそらく販売単位が大きいので素人では買えないと思います。これは是非IMONさんで復活販売してほしいです。あと黄色のウォシュプライマーの小分け瓶も安定供給をお願いしたいです。

20230820-20-02-29

| | Comments (0)

阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(9)バッファー

台枠に、ホワイトメタルのバッファー台座と真鍮挽物のバッファーをつけました。バッファーは頭と胴が一体の挽物で非可動です。
バッファー台座は、ロックタイト601で固定しました。瞬間接着剤より硬化時間が長い(といっても一分以内)ので使いやすいです。

20230813-0-49-43 

IORI工房のピンリンク(ねじ式)カプラーをつけても、KATOユニトラック の340R曲線を通過できるのでOKです。

ただこのカプラー 老眼のモデラーには、ピンセットを使って連結するのは少し大変です! カプラーポケットはケーディー5番と寸法が互換なので、そのうち交換するかもしれません😃

下の写真がメーカー指定の連結法です。両方引っかけず、リンク側引っかけているだけでも大丈夫みたいですが・・・

20230813-1-25-03

20230813_20230813085401

IORI工房ホームページより引用・改変

なおバッファーと台座は市販品パーツではなく、所属クラブ(KKC) の会員内部配布品です。このパーツを使ったので、バッファーの形態が実物とは少し違っていることをお断りしておきます。

 

| | Comments (0)

120をつくる(32)塗装準備

いよいよ塗装準備に入りました。私はマスキングが苦手で嫌いなので、ここまで分解できるようにしています。

20230811-21-01-30

煙室まわりや屋根上はつや消しの黒できまりですが、ボイラーやサンドタンクの色がなかなか決まりません。もう少し悩んでみます。

中性洗剤で洗浄して超音波洗浄機にかけますが、酸洗いなどで表面の酸化皮膜は除去しません。酸化皮膜を除去しない方がプライマーの喰い付きがよいらしいです。

20230811-21-01-57

下回りも分解します。

フレーム内に落とし込むわけでもないので、四角いモーターはオリジナルの取付ネジ孔を使って珊瑚のギアボックスに固定しています。

 

 

| | Comments (0)

阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(8)軸受の加工

以前書いたように この客車は、KATOの二軸貨車用のポリアセタール製軸受に珊瑚の古典客車用軸受を貼っています。

以前加工した分はエッチング製の軸受パーツに軸箱とバネが一体になったホワイトメタルのパーツを低音ハンダ付けしてから軸受に接着剤で貼っていたのですが、今回は接着剤で貼っています。

まずポリアセタール製軸受にエッチング製軸受パーツの軸孔部分を加工したパーツを瞬間接着剤で貼っています。ただポリアセタールはそのままでは瞬間接着剤では接着できないので、PPX プライマーを塗ってから接着しています。そのあと軸箱ばねパーツをセメダインスーパーXで貼りました。

20230810-21-12-11

20230810-13-25-39

エッチング軸受パーツは、細い精密丸ヤスリで加工しましたが、下図のようなロングノーズ(ロッキング)バイスプライヤーという工具にくわえて加工すると楽でした。軸孔部の加工が終わったあとで、L字型に曲げられた取付部をカットしました。ハンドバイスよりこちらの方が取り外しが楽です。

20230810-13-23-20

台車や軸受などに使われるポリアセタール(POM)は、そのままでは接着や塗装がつかないので扱いにくいですが、プライマー使えば接着は可能ですし、ミッチャクロンで下塗りすれば、塗装も可能です。

デルリンやジュラコンは、ポリアセタール(POM)の商品名です。ご参考までに

※追記

やはり軸箱バネパーツはスーパーXではポリアセタールの軸受に接着せず金属部分同士のみの接着となり強度がイマイチなので、瞬間接着剤+プライマーで接着し直しました。

※追記2

20230811-13-41-08

下回りが6両分組めたので編成にしてみました。オープンデッキの一等車は諸般の事情によりペンディングです。

※追記3 8/12

20230812-9-59-08

トビー上等車ショーティー改造のオープンデッキ上等車ですが、模型的にみると前後端の緩急車のキューポラ?以外は単調なので、形態的に変化がでてアクセントとなっておもしろいのですが・・・
実物考証で考えるとこういう車両は当時の西部局には存在しなかったので、いかがなものか・・・
とも考えてしまいます。まあ模型の世界だからちょっと遊んでも許されるとは思います。

あと床下ディテールも考え中です。低い位置の歩み板つけたので側面からも殆ど見えないのですが、緩急車のブレーキロッドぐらいはつけたほうがよいかと思っています。

| | Comments (0)

手加工 機械加工

 鉄道模型特に蒸機のスクラッチビルドを続けていると、どうしても工作機械が欲しくなります。みなさんボール盤、旋盤まで逝く方は多いですが、それに飽き足らずフライス盤とか・・・まで逝ってしまう方も少なくはないようです。
 私も一時そちらの道に逝きそうになりましたが、旋盤とそのフライスアタッチメントで踏みとどまりました。工作機械を工夫して使うのは別の意味で楽しいのですが、それは機械工作道楽であって、本来の鉄道模型工作とは違うように感じるようになったからです。
 平岡さんのライブスチームの本などを拝見すると、その工作の素晴らしさに感動はしますが、自分のやっている16番蒸機模型工作とはなにか本質的に違うところがあると感じています。
 西宮のH御大も現役で仕事されていた時は工作機械を駆使されていましたが、本職を引退されて模型に専念されるようになってからは、ボール盤とフライスアタッチメント付きの小型旋盤のみを使って後は糸鋸とヤスリの手加工で工作されているようです。まあそれで、あのレベルの蒸機を続々と完成されているのも常人技ではないと感じますが・・・

 とはいっても手加工メインか機械加工メインかというのも、どちらがよいという話ではなく結局「好みの問題」ということになってしまうのだと思います。

 私は決して器用な方ではないですが、やはり手加工派で、主台枠やロッドは糸鋸で切り抜いてヤスリで削るというのが楽しいです。フルスクラッチビルドにこだわらず、パーツやキットも積極的に利用して楽しんでいこうとおもいます。

 

| | Comments (0)

阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(番外編 ぼやき)

先日からひたすら下回りを組んでいます。分解可能ひこだわって、あまりに凝った構造にしてしまったので、自分で自分の首を絞めた感もあります。ただ玩具と違ってやはり模型は分解可能でありたいと思っています。平日夜だと二日で一両 休みの日に半日で二両が限度です。私はこういう同じ作業を反復するのは苦手です。長編成ものを綺麗に仕上げるモデラーさんをみると自分は到底ああいうふうにはできないと思います。以前下等車の2両分は組んでありましたが、今回何とか4両分組みました。といっても軸受の組込作業はまだです。早くこういう工作は終えて、蒸機の主台枠でも削りたい心境です。

20230806-20-45-09

今回の組み立てでは先日ブログに書いたモノタロウで売っているステンレスクリップが役に立ちました。材料をピンセットで保持してハンダ付けすることも多いですが、ピンセットの代わりにこのクリップで保持すると、しっかり掴めるし、ステンレスの熱伝導率が悪いので手が熱くなりません。熱を吸い込まないので、ハンダが流れやすいです。この特徴はエコーモデルのアルミ・クリップと表裏の関係にあります。以前にも書きましたが工作に応じて工具も使い分ける必要があります。両方お手元におくことをおすすめします。

なおこのクリップはステンレス製なので、タップやドリル折り込んだとき、そのブツにこのステンレスクリップをくわえて食塩水に浸ければ、ステンレス容器でなくても、大丈夫です。

今年の盆休みは後半は晴れそうなので、その時に塗装できるように工作を急ぎたいと思います。

| | Comments (0)

SmileSound SoundDevelopmentBoard を改造する(続)

モデラーにとっては心地よい模型のサウンドも、家族にとっては迷惑な騒音のようなので、イヤホンジャックもつけました。これで家族に遠慮なくサウンドプログラミングできます。

余談ですが、自宅ではサウンド車両を大きな音を出して走らせると家族に嫌がられるので、運転会やレンタルレイアウトでしか思い切り走らせられないという方も少なくないようですね。

20230803-0-54-21

秋月電子で売っているイヤホンジャックはアダプター基板つけないと、2.54mmの基板に差し込めないので、共立電子で売っている2.54mmの基板に差し込めるイヤホンジャックを取り付けました。

CV値書き替えないとメインボリュームが調整できないサウンドデコーダーも多いですが、スマイルサウンドデコーダ−では、デコーダーの音量調整がF7を押すと可能で、音量を女性の声で案内してくれるのは、便利だと思います。

| | Comments (2)

SmileSound SoundDevelopmentBoard を改造する

Desktop station からSmileSound SoundDevelopmentBoardが発売されています。これは同社から発売されているサウンドデコーダーSmile Sound Decorderの開発ボードです。

Smile Sound Decorderは、ユーザーがサウンド発生をプログラムすることができますが、いちいちデコーダーをパソコン接続した書込アダプターに装着してプログラムしてから、デコーダーテスターに差しなおしてその結果を確認していては手間がかかります。そこでデコーダーと同じ回路を開発ボードにして、パソコンとDCCコントローラーの両方につなぐことができるようにして、プログラムした結果をすぐ確認できるようになっています。

ただし、スピーカーとモーターが外付けなので、DCCテスターのように一台の機器にまとめてみました。この開発ボードは秋月電子のC基板と同じサイズなので、C基板を裏にネジ止めして、そこにスピーカーとモーターはつけました。スピーカーはハウジングつきで、米国で鉄道模型のサウンド用として売られていたものです。モーターは手持ちのものにIMONのフライホイールを取り付けて強力両面テープで接着しています。

オリジナルのボードでは、モーターとスピーカーの出力端子はピンですが、2.54mm間隔のターミナルブロックに交換しました。この出力端子とスピーカーとモーターの間にはスイッチをいれてあります。このスイッチをオフにすれば、スピーカーやモーターの外部接続も可能です。

20230801-7-48-14

20230801-0-44-35

裏返して底部のカバーを外したところです。

これでパソコンとDCCコントローラーがあれば、どこでも?プログラムできます。

20230801-0-52-41

パソコンでサウンドデータを書き込んだ後で自作コントローラーで試したところうまく動きました。これでSmile Sound Decorderのサウンドプログラム開発がすすみそうです。

| | Comments (0)

« July 2023 | Main | September 2023 »