阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(10)上等車
オープンデッキの上等車です。とはいっても、こういうスタイルの車両は初期の京阪神間の鉄道には存在しなかったので、フリーランスです。模型はトビーの古典客車の上等車を短縮改造しました。実際に存在した上等車は中等車と同じスタイルで側扉二枚ついているのが違うだけのようです。とはいってもスタイルがほぼ同じで側扉の数が違うだけではまだ等級帯もない時代なので、見た目が単調になります。そこで模型編成としてメリハリをつけるためこの車両を編成に組み込むことにしました。
側面の歩み板もこの車はなしにしました。したがってこの車両だけは床板は左右分割ではありません。
車両デッキのステップは二段としましたが、他の車の歩み板とおなじく、実物とは異なった模型としての強度重視の構造としました。
下のステップはφ0.6の真鍮線をU字型に曲げて、万力で押しつぶして帯板状にして曲げたものに、踏み板をハンダ付けしました。上のステップはアングルから加工して台枠の裏にハンダ付けしてあります。日本から米国に輸出したブラス製の客車でこういったステップのついた製品をもっていますが、実物同様の構造で帯板と踏み板をハンダ付けで組んだ構造ものは40-50年程度経過するとハンダ付けが劣化して、経年変化で壊れることも多いようです。ロスト製のステップは壊れませんが、曲がりますね。(ロストパーツは硬いより柔かい方が折れなくてよいみたいです。)
私は実物どおりの構造より、ふつうに手で持っても壊れないような強度をもった模型をつくる方針でやってます。
台枠側面のディテールは他車と同じパーツを流用したので、いろいろ矛盾がありますが、精密感?は出ましたのでヨシとしました。編成の中でこの車の台枠のみのっぺらぼうでは違和感がありました。
カプラー取付台とバッファーを取り付ければ完成です。
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