トミックスの5001ワンハンドルパワーパックを改造する(続)
PWM出力に、このアナログ(ローパス)フィルター接続して電流を流すと、パルス電流が不思議なことに平滑な直流に変換されます。アナログフィルターは、DesktopStation社のピュアアナログアダプターの回路を使わせていただきました。なおDesktopStation社ではピュアアナログアダプターの製造とサポートは終了しているようですので、このアダプターやその回路について同社には問い合わせないでください。
☆6/30 配線図差しかえ 下の紫色バックの部分が、アナログ(ローパス)フィルターです。
PWM出力を緑色の端子、平滑直流(電圧)出力を茶色の端子に接続しました。
回路図のスロットルのボリュームは10KΩでもよいと思いますが、ボリュームの値を大きくする場合は、あおのさんのコメントにあるようにコンデンサーを入れた方が安定します。私は1KΩのボリュームを使っているので、特に問題はないです。アナログフィルターの抵抗は47KΩでもよいです。
鉄道模型のパワーパックでよく使われるトランジスタなどを使った直流電圧制御だと、電圧を下げた分のエネルギーは熱で捨てることになりますが、パルス制御とフィルターを組み合わせた方式だと降圧分のエネルギーも有効利用できて捨てるエネルギーが少ないので、電力変換効率がよいと思います。
コンセントから電源アダプターをつないで使う場合は問題になりませんが、バッテリー駆動だとかなりバッテリーの保ちが違ってくると思います。モータードライバーにも大きな放熱器をつける必要もないようです。
PWM出力で運転するときアナログフィルターを切り離すスイッチをつけるつもりでしたが、オシロで出力電流波形をみても多少ノイズ(リップル)はのっているようですが 波形に大きな変化はなく実用上影響ないようなので、省略しました。
ムービーのノイズはモーターの回転音です。
また最初は電源VCCから12Vを直接Nanoにつないでいましたが、ロームのDC/DC降圧レギュレーターBP5293-50を入れました。これで12V以上の電圧のアダプターも使えます。Nano内蔵の三端子レギュレーターは電圧の上限が12Vですので、このような降圧レギュレーターを使わないときは、12V以上の電源アダプターは使えません。12Vのアダプター以外使わない方は、電圧レギュレーターは省略できます。
モータードライバーTB6643KQは最低作動電圧が9Vなので、電源電圧は9V以上で使用してください。乾電池などのバッテリーを使って電源電圧が9V以下になると停止します。
プリント基板の右端に見える円柱状のパーツが、100µHのチョークコイルです。
☆6/30追記
デスクトップステーションさんのブログにあるように、モーターの種類によってはキャリア周波数を下げた方が、低速性能が安定するようです。PWM出力だけの場合でコアレスモーターを使わない時はキャリア周波数を下げた方がよいかもしれません。
☆7/6追記
今回はArduino Nano 使いましたが、開発しやすいですが、こんな大層なものつかわなくてもATtiny85使えばもっとローコストに基板も小ぶりにできることに気がつきました。また機会があればやってみようと思います。あやのさんがATtiny85使ったDCCデコーダーについて詳しくブログに書かれているので参考にさせていただこうと思います。
☆8/6追記
今回はワンハンドルコントローラーなのでマイコン制御が有用ですが、普通の前後進スイッチで切り替えるタイプのパワーパックならマイコン使わなくてもタイマーIC555使えば十分だと気づきました。これなら秋月で安いキットがあります。以前作ったコントローラーについてはここをクリック
Comments
マイコン内蔵の逐次比較型のADCは、入力のインピーダンスが高いと変換誤差が大きくなるので、ボリュームの抵抗を大きくする場合は、入力端子(A2)に0.1uF程度のコンデンサを入れた方が良いです。
Posted by: あおの | June 29, 2024 01:47 AM