4-4-0の補重(前編)
先週末は東京でKKCの年次総会に参加してきました。
その時にKTさんから4-4-0の補重について質問を受けましたので、ちょっとそれについて書いてみます。
動輪は左右ともイコライザーで支えて、先台車は中心を支えて三点支持にするものとします。
仮想的に機関車本体の重量とウェイトをあわせた重さWの重心位置から先台車中心までの距離をa 動輪にかけたイコライザーの中央の支点までの距離をbとすると、動輪の軸重は (Wxa) / (2 x (a+b) )となります。先輪の軸重は(Wxb ) / (2 x (a+b)) です。
ところが4−4−0のテンダー機にはウェイトを積むスペースがあまりないので、動輪の軸重が小さくなってしまい モーターに余力があっても牽引力はイマイチということが多くなります。
そこでテンダーに補重してその重量を動輪にかけるという裏技を使います。
w2は搭載したウェイトとテンダー本体の重さから、テンダーの車輪の軸重の合計を引いた値とします。
この時動輪の軸重は、((W x a) + W2 x (a+b+c) ) /(2 x (a+b) ) となり増加します。
なお機関車の重心位置が、動輪間のイコライザーの支点(中点)より後になると、先台車が浮き上がって走行が不安定になりますので、重心位置が先台車中心と動輪の中点の間の動輪寄りになるようにウェイトをバランスよく積んで補重していきます。
この機構のおもしろいところは、テンダーから機関車本体に掛けた重量以上に、動輪の軸重が増加することです。その増加分はどこから生まれてくるかというと機関車全体の重心が後方に移行して、先輪の軸重が軽くなってその重量が動輪の軸重に加わります。だから上記の重心の位置の調整が重要となってきます。
二つの動輪の真ん中にあるイコライザーの支点をテコの支点として考えていただくとわかりやすいと思います。
ただしテンダーの重量を機関車にかけるためには、機炭間のドローバーに一工夫必要です。
それは次回書きます。
Comments