閑話数題 (6) VOTING

米国のナローゲージコンベンションにはじめて参加したとき、一番驚いたのがコンテストの順位を決めるのが、参加者の投票だったことです。日本の模型コンテストだと、それなりの審査員が順位を決めていたので、投票できっちり評価できるのか疑問に思ったのです。ところが投票結果の順位をみてみると、納得できる順位になっていたので、「さすが民主主義の先進国は違う」と感心した覚えがあります。

ところが最近の米国のトランプ現象や英国のEU離脱投票をみてみると、民主主義の先進国でもVOTINGにはリスクが大きいなという印象を受けました。
日本の模型界でもリアル展示会をおこなう模型コンテストはなくなってしまいましたが、評価はどういう風にした方がよいのか少し考えさせられました。

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閑話数題(1)鉄道模型モーターのパワーについて

いま組んでいるトーマさんのCタンク、キットに入っているモーター使うと少し起動電圧が高い(5-6Vぐらい)ようです。また素組でウェイト追加なしなら問題なさそうですが、ボイラーやサイドタンク、キャブ内に目一杯ウェイト追加すると少しモーターが力不足になりそうなのでモーターの換装を検討中です。

鉄道模型のモーターは、パワーが過大だという話は昔からあります。
私の模型仲間でも、大きなモーターをつけるのは無駄で、モーターを小さくしてその分ウェイトで補重した方がよいというご意見の方は数名おられます。ただし そういう方の模型を拝見すると動輪の軸受にベアリング入れたり、ギアボックスを工夫されてかなり伝動効率がよくなっている=モーター外して車輪を手でまわしても抵抗なく回るように思います。
やはり普通の伝動機構の模型では、それなりに伝動部分には抵抗があって効率も高くないので、やはり少し力持て余し気味の大きなモーターで回した方が調整が楽だと思います。またボールベアリング入れない普通の軸受でも、注油して整備してやるとかなり軽く走るのですが、しばらく放置しておくと油とチリ?が固まってしまって動きが渋かったり、ひどいときは動かなくなってしまうこともあるのはみなさんご経験があると思います。そういうときでも力を持て余しているモーターだと少し注油して強引に回して走らせているうちに調子が出てきますが、小さいモーターを搭載した機関車だと分解掃除して注油整備しないと動かないこともあります。
そんな場面を考えるとやはりモーターは大きくて強い方がよいと私は思ってしまいます。これは機械の専門家観点からみると邪道な考え方なのでしょうかねぇ?全て密閉式のギアボックスにしてグリス充填でもできればいいでしょうが、なかなかそうはいかないです。
といってもモーターが力強すぎるのも問題で、8760に搭載したイモンのコアレスモーターは、バルブギアーが引っかかったとき、力が強すぎてラジアスロッドひん曲げてしまいました。それでも走っていたのは凄いです。

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おおらかに模型を楽しむ

某氏のブログで京都・マツモト模型の客車が話題になりました。ご存じのようにマツモト模型の客車は京都の紙細工職人さんがつくるペーパー製完成品なのでブラス製に比べて軽く、非力な機関車でもそれなりの客車編成を引くことができます。他社では発売されていない旧型客車も多種発売されています。
といっても他社の製品と同じで寸法や細かいディテールはかならず正確とは言いがたいところも多々あります。ただそれらしい感じはよく出ている模型だと思います。
そのブログ主さんは
私は10年前くらいから「マツモトの客車は”スケール”ではなく”模型としての
味”」なのだと思います。
歳を重ねると、細かいことより”おおらか”になるのだと思っています

とおしゃっていますが、まさに同感です。

逆に今一番おおらかでない模型製品といえばModels Imonの製品だと思います。シビアというか実物を出来るだけ忠実に模型化しようとした製品群で、実物写真を撮っていた方たちが、その模型を手に入れたいという理想には一番近い製品だと思います。といってもそれを批判しようという気は毛頭ありません。ちなみにオーナーさんとも面識はありますがおおらかな方だと思います。実物追求路線もひとつの方向だと思いますし、それゆえ同社が、16番ではなく12mmゲージ1/87の製品を出しているのも納得がいくところです。

ただ自分の模型はそういう方向とは違っていると思います。実物で格好が悪いと思うところは、模型化するときには自分の好みに変えて、それらしい雰囲気がでることの方を優先したいと思います。またあまり細かいディティールもつけたいのとは思っていません。模型としての走行性能に支障があるなら、形態より走行性を優先したいと思います。今月のTMSに掲載された6500形蒸気もスーパーディティールの精密機模型ではなく、ソコソコの精密度で雰囲気重視で作ったつもりです。

というわけで、今後もおおらかにゆるい模型を楽しんでいきたいと思っております。

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平岡さんの講演を聴いて

昨日横浜で模型グループの会合があり、ライブスティームで有名な平岡さんのご講演を聴く機会にめぐまれました。とはいっても今回の会合は、ライブではなく普通の電動の鉄道模型を作っているモデラーの集まりだったのですが、そこは工作のプロ、ライブを例に使われつつも模型工作の興味深い話をお聞きすることができました。
ライブでも実物の構造をそのまま縮小したのでは動かないので、模型の大きさでの最適の構造を考えて設計、製作する。シリンダー径も実物にこだわらず模型の大きさでの最適値を考えてつくる。
実際のボイラーは製作の容易さを考えてストレートボイラーにする。もちろんボイラーケーシングは実物のに忠実に縮小する。煙室扉もメンテナンスの容易さを考えて、一体に取り外しができるようにする。
などなど・・・ ライブではなく私たちの作っている電動鉄道模型にもいろいろ当てはまるようなお話しを聞かせていただきました。

やはりいくら細かく実物通りの縮尺で作り込んであっても、実物のような動きをしない模型は私は気に入りません。

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レイアウトの田んぼの表現

レイアウトの表現で難しいのは、田んぼだと思います。
刈田やまだ田植え直後の水田はいくつか素晴らしい作品はみましたが、緑の風にそよぐ稲田はなかなか表現が難しいようです。

模型レイアウトではないのですが、台湾の画家で黄銘昌(ホワン、ミンチャン Huang, Ming-Chang)の描く、風にそよぐ稲田の絵「向晩 I」を先日観て非常に強い印象を受けました。
こんな風にレイアウトの稲田を表現してつくれたらいいだろうなと思いました。
彼は何枚も水田を描いているようです。

Huang, Ming-Changで、GOOGLEで画像検索かけるといくつか彼の作品が出てきます。

私は東京国立近代美術館の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展:ヤゲオ財団コレクションより」でみたのですが、これから名古屋、広島、京都にも巡回するようです。

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ボイラーと台枠のあいだのスケスケ感について

現在7000形タイプの設計中です。迷っているのは、実車のボイラー直径は1/87だと10mm弱なのですが、利用する とーまさんのキットのボイラーの一部を使って12mmにする(上)か、ボイラー新製して10mm(下)にするかということです。
700type5
ところでスケールどおり10mmにすると主台枠とボイラーの間が結構スケスケになります。実物がそうだからそれでいいのかもしれません。ただ日本の蒸機ではこういう主台枠とボイラーの間があいてスケスケになっているものは少ないですね。だから少し違和感があります。

これが問題になったのは、5/20付けコンさんのブログIMONの木曽のポーターがサイドタンクと主台枠の間が空いていて違和感があるので格好良くないという話になったときです。もっとも実物はそうなのですが、この部分が空いていない方が私も格好がよいと思います。ドイツなら大型機のBR50あたりでもこの部分空いていて、日本の制式機ならランボードに吊してあるエアータンクが主台枠の上に直角の方向に載せてあったりします。
というわけでボイラー少し太めにして、実物とは違いますがこの部分が透けない方が感じがいいのかとも思っています。結局は作者の好みということになるのでしょうが、「これは実物通り作れば良いのではない」のかどうか もう少し悩んでみます。


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Before After ビフォー・アフター

以前このようなタイトルのテレビ番組をやっていたのを覚えておられる方も多いと思います。不便な古い住宅をリノベーションして、便利な新しい住宅に生まれ変わらせるという内容です。
番組が始まった最初のころはよく見ていましたが、そのうちその住宅の改造過程より、不便な住宅に住んでいる人の生活の様子を覗き見するような要素が強くなってしまったので見なくなってしまいました。
あるものを改造して全く別物に作り替えて(あるいはそう見せかけて?)人をびっくりさせるというのは、怪しげな?健康食品の広告などにもよく使われるテクニックです。

鉄道模型でもフル・スクラッチにこだわらなくても、自分の思うようなものを違った市販品を活用して作ることはできますし、生まれ変わるのを見るのは楽しいです。

ddx40aさんがご自分のブログで、先日からの「またまたスクラッチ・ビルディング談義」で書いておられるように、キットや完成品RTR(Ready to Run)を「改造する」のではなく「素材として利用する」ようにして作ってみたのが、今回のピッツバーグタイプCタンクです。
左が今回の作品、右がオリジナルの製品(バックマンのポータータイプCタンク)です。
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これまでの記事にあるように、下回りのシリンダー中心間隔までは縮めていませんが、上回りは車高、車体幅、ボイラー中心高さなどすべて変更しています。

え・・・ あまり変わっていないって?
なぜ ここまでやるならスクラッチしないかって?

まあ それは鉄道模型工作に対する考え方の問題ですから・・・


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パイロットモデルと製品の関係

 最近は3D-CADなどで造形して試作もなしにそのまま製品にしてしまうこともあるらしいですが、昔からのブラスモデルでは、まず試作のパイロットモデルが出来て、それをベースに量産された製品がつくられるのが普通です。
 普通は業者さんの内輪でパイロットモデルがつくられますが、アマチュアのモデラーがつくられた秀作をパイロットモデルとして製品が作られることも少なくありません。有名のなのが故内野日出男さんのK27で、これをベースにしてPFMの傑作といわれるK-27が作られた事例だと思います。
 ただ量産品でオリジナルのパイロットモデルの完全なコピーができるかどうかはまた別問題で、蒸機では量産品ではドームの形状などがイマイチということも少なくありません。とはいってもメーカーを非難は出来ず、自分でもガレキ作成で一度経験しましたが、自分のイメージどおりの挽物の図面を描くのは大変難しいです。米国のPSCや最近の日本のメーカーでもドームがロストなのは??と以前は思っていましたが、微妙なカーブの再現ということならロストの方が良いかもと思うようになりました。最近の3Dスキャナを使えば、パイロットモデルをスキャンした立体イメージから加工すればオリジナルと寸分違わぬドームなども出来るかもしれないです。全体のコピーも可能かもしれないですね。
 いささか話が脱線しましたが、つまりパイロットモデルをそのまま製品化するのは難しいくて成功事例は少ないということです。そういうわけでパイロットモデルが素晴らしくても製品が????というとは珍しくありません。
 最近某社から発売されたある蒸機のバラキットでも、パイロットモデルとなったアマチュアの某氏が作られた手作りの作品はすばらしかったのですが、発売された製品を入手してみるとドームの形態やキャブの窓の大きさなどがイマイチでした。特に発売元の発行配布しているフライヤーには、発売予告に某氏のパイロットモデルの素晴らしい写真が掲載されていたので落胆しました。もう一度そのパイロットモデルの記事が掲載されたTMS旧号も引っ張り出してきて写真を確認してみましたがやっぱりキットとは印象が違います。他にも同じような印象を受けられた方もおられたようで、ネット上で失意のメッセージ書き込みをみました。
 ところが私が製品の辛口批評をしたのが、回り廻ってパイロットモデルを作られた某氏のお耳に入ったようで、お怒りをかってしまったようです。別に私は製品を批判しただけで、某氏のつくられたオリジナルのパイロットモデルを中傷したつもりではないですが・・・

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模型のリベット表現について

模型のリベットですが、頭を小さくして実物どおりの数と間隔にした方がよいのか?それとも頭を少し大きめして間隔を拡げた方がよいのかは、各人の模型感の違いもあって結論が出ない問題です。
昔はエッチング製造工程の技術的な問題もあり、あまり小さいリベットは出来なかったそうなので、リベットは大きかったそうです。小さいエッチングパターンだとレジストが剥がれて、リベットが飛んで歩留まりが悪かったと聞きました。
最近は技術が進歩して、エッチングでも小さいリベットもできるので、市販のキットなどでは繊細なほとんど実物通りの間隔と大きさになっているようですね。ただそうなると製作途中に表面にハンダが流れたり、塗装で少し厚塗りにするとリベットが埋まってしまう?ので注意が必要です。
また自作で打ち出しにする場合は、1/80前後のサイズではリベットの頭がややオーバースケールになるので、リベットのパターンによっては間引かざるを得ないと思います。
また一概にスケール通りがいいとはいえず、昔の天賞堂のCタンクの大きなリベットも模型としてはいい表現だったと思います。トビーの4030(輸出用のDタンクを含む)は初期製品が打ち出しで大きなリベット、後期製品はエッチングで繊細なリベットですが 模型としてみた場合は優劣がつけがたいと思います。私の主観では前期製品の表現が好きです。
わたしはスケール通りにはせず、少し間引いてリベットの頭の大きさも勘案して、みた感じのよい間隔としています。

あと実際に製作するとき、私はリベット打ち出し機を旋盤に装着して、材料を刃物台に固定して動かしてリベットのピッチを出していますが、あまり半端な間隔にすると、ダイヤルを回すだけといっても頭が混乱してきます。打ち出し作業をしている途中に何か声でもかけられると「時そば」の落語のソバ屋ように間違えてしまいます。というかこれで数枚サイドタンクやテンダーの側板をオシャカにしてしまいました。これは刃物台の送りをDRO化しても同じだと思います。
それこそNC化するか、DRO機器からパソコンにデータを入力して、寸法送りをアシストするようなプログラムでも作らないと私には無理だと思っています。

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キット改造の愉しみ

仙台のコンさんがブログで自作の楽しみについて書いておられますが、私はむしろ最近はキット改造の楽しみにはまっています。
現在制作中の9850タイプについても、下回りは中国製の安価なモデル、テンダーとキャブ側板、ドーム類は珊瑚の8620用を加工といろいろ組み合わせてやっています。といってもテンダーなどはむしろスクラッチした方が楽だったかもしれません。
このモデル作ろうと思ったのも片野さんの「一号機関車からC63」までを眺めていて、8620のキャブ側板の窓配置と9850のそれがほぼ一致したことがきっかけとなりました。なにかパズルゲームを楽しんでいるような興奮を覚えます。あるパーツが全く違ったように生まれ変わるのをみるのは楽しいですね。
またdda40xさんのいわれる完成品やキットを改造するのではなく素材として使うというのも私には目からウロコの発想でした。

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