電気ハンダ付け器の電極についての考察
小型炭素棒電極を使った電気ハンダ付けを試みたことは先日報告しました。
今回試用したシャープペンシル改造の電極の欠点はとにかく、この電極が熱くなることでした。
その後 むすこたかなしさんのブログに掲載された、イギリスの4mmスケールモデルグループのオンラインミィーティングでのクリニックの低圧炭素棒ハンダ付け解説の動画を見ると、対応策が頭に浮かんできました。
この動画をみると動画の発表者の炭素棒電極は、ガウジング棒(外側に銅メッキをした炭素棒)をつかっており、炭素棒電極先端は鉛筆削りで円錐状に削っています。円錐形ではわかりにくいので、先端部の直径が半分になった段付きの棒で説明します。
同じ炭素棒でも直径が半分になれば、同じ長さの電気抵抗は断面積に反比例して4倍になるはずです。流れる電流は同じなので、断面積が半分になれば、発熱量は4倍になるはずです。ということは先端が円錐状だと先端部分での発熱が一番多くなるはずです。
また後方は周囲を電気抵抗の低い銅メッキでコーティングされているので、銅メッキのない部分より同じ長さの電気抵抗は低くなるので発熱量は少なくなるはずです。
シャーペン改造の電極は、直径の同じ2.0φの鉛筆芯を電極として使うので、先端部もシャーペンに近い部分も断面積は同じであり、シャーペンの支持部分でもかなり炭素棒が発熱してしまうのではないかと愚考しました。先端の口金(先端パイプ・スライダー)部分のみから炭素棒(シャーペン芯)に全電流がながれていればよいのですが、実際は後方の芯チャックからも結構電流が流れていると推測します。使っていると先端口金部分でスパークが出ているので、この部分での電気接触が完全ではないと推測します。シャーペンの構造は三菱鉛筆のHPが詳しいです(シャーペンの部品名はこのHPの用語をつかいました)。なおこのこの保持チャックもプラ製?なので熱で劣化してしまいました。
対策としてはもう少し太い炭素棒、できればガウジング棒を先端を円錐状に削って使うと良さそうです。ただガウジング棒を使うと電気抵抗が低いので、現在の4.5Vでは電圧が高すぎるかもしれず、やはりスライダックによる一次側電圧コントロールをおこなって二次側の出力を3Vぐらいにする必要があるかもしれません。
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