8100再レストア(2)動輪の分解と再組立

軸箱の入替は動輪を抜く必要があります。

コンさんの動輪抜きジグを使ってボール盤で抜きました。

珊瑚の動輪は軸端部の形状でテーパーが強く一番奥の部分で強く圧入されているようなので、ボール盤で抜いてもヌルッとは抜けず、ポンと抜けます。また特に珊瑚の動輪は一旦分解すると弛んで位相が狂いやすいので、車軸の軸端部にローレットを切りました。トビーや昔の天賞堂の蒸機用動輪にはローレットが切ってありましたので弛んで位相が狂うことはなかったようです。

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ローレレットはJHTのホルダーにローレット駒をつけて動輪に押し当てて回します。モーターで回すのではなく、コレットチャックと反対側につけた手回しハンドルで回します。鍋屋バイテックの既製品のハンドルです。

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ローレットは段差部全体ではなく、できるだけ車軸中央よりに1mmぐらいの幅で切ります。軽く手で圧入して最後は旋盤でキュッと押しています。

オイルレスメタル製の軸箱と車輪と軸箱の間に製品オリジナルの薄い真鍮ワッシャの代わりに、0.125tのナイロンワッシャを入れて組み立てます。

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位相合わせには写真の様なジグに動輪をセットして、旋盤に装着して、コレットチャックと心押し台のドリルチャックに押し棒をくわえて、心押し台の送りでキュッと圧入しています。詳細は以前の解説記事をごらんください。

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位相は一発であって、調子よく転がります。

なおこの8100はもう30年以上前に組んだ珊瑚の最初の製品です。
ボイラー直径を1mm細くして、テンダー上回りも幅が広いので曲げ直しています。
ドーム類もカーブを削り直しています。
今回はこの製品のウィークポイントである真空シリンダー廻りを改造します。

最近このキットに着手しようという方が数名おられるようですので,ご参考までに。

 

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8100再レストア(1)軸箱の交換 ペデスタルの拡幅

40年近く前に組んで,10年ぐらい前?一旦レストア目的で塗装剥離して放置されていた8100にまた少し手をつけました。

レストア時にも走行が不調だったのですが、原因は挽物製の軸箱にあるようです。昔の珊瑚製品によくみられた挽物製の軸箱はしばらく走らせないと油などで軸とひっついてしまうようです。固定軸や線バネで強く押さえる旧式の軸ばね可動では注油してしばらく動輪を強引に回すと復活して問題ないようですが、イコライザー可動だとひっついたまま軸箱ごと回ってしまうようです。この8100もそういう状態になっているようで、軸箱のイコライザーに当たる部分が擦れていました。

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車軸が3mmφでペデスタルが4mm幅なのでそのまま適合するオイルレスメタル製の軸箱はないので、ペデスタルの幅を左右0.5mmずつ拡げることにしました。上方は0.3mm拡げました。メーカーの蒸機はイコライザーの上下動は0.5mmぐらいとっているものが多いようですが、実用上は0.3mmぐらいあれば十分なようです。

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ややペデスタル上部のフレームが細いように感じますが、中型機なので大丈夫だと思います。

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動輪の軸箱は一旦抜いてオイルレスメタル製の軸箱に交換します。

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まだ動輪の軸箱交換してないので、仮に珊瑚の1850用動輪をはめてみました 。よく転がります。

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8100形用と1850形用動輪は直径は15.5φで同じですが、前者はスポーク上にロッドピンがあり、後者はスポークの間にあるので、バランスウェイトとスポークの位置関係が違います。

 

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