ボールドウィンのCサドルタンク(2)先輪の有無

計画中のボールドウィン・サドルタンクですが、先輪つきとなしの両方描いてみました。かなり感じが変わりますね。従輪の有無も検討中です。形態的にはなくてもよいと思うのですが、模型的にはつけた方が集電の改善が期待できそうです。

Bal1c1

Balc1

あと私は実物にかかわらずフランジは削らない主義ですが、この機関車の場合第2動輪のフランジ削って13+15.5mmの軸距にした方が格好よいかとも思います。もう少し考えてみます。

キャブはコンさんのエッチング板利用ですが、やはり前妻板は窓ではなく扉に改造するつもりです。

ベースの図面は機関車史研究会「ボールドウィンの中・小型機関車完結編」P27 図19 および「ボールドウィンの小型機関車」p24 図11を引用して合成しました。

ところで日本では、サドルタンクはあまり好まれなかったようですが、なにか理由があるのでしょうか? 1030形も日本に来る前にサドルタンクからサイドタンクに改造しているようです。あとは樺太の3005形、日本製鋼の標準軌のロコ、貝島炭鉱のロコぐらいでしょうか?

 

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ボールドウィンのCサドルタンク(1)

mougulさんによれば 19世紀の米国では熟練工が不足していたので、標準化を徹底して工業の発展を図った。ボールドウィン社はまさにそれを地でいった企業であったということです。

機関車の製造も、一形式ごとに設計するのではなく、標準設計されたパーツを組み合わせるプリフィックス・イージーオーダーのようなシステムをとっており、短納期・低価格で世界中に多くの機関車を供給していたようです。これについてはこの本が詳しいです。

日本にきた同社製の蒸機もその例にもれず、標準化されたパーツを組合せて設計・製造されたようです。そのため現存している蒸機の組み立て図は、現物とは細部に差異が認められることもすくなくない。同社の組立図は納入前の仕様書と考えて盲信しない方がよい。これもクラーケンさんからの受け売りです。

というわけで、同社の蒸機をプロトタイプとして模型をつくるときは、現物をトコトン追求するより、それを細分化してモジュールとして組み合わせた方が自分好みの機関車模型ができるようです。

これを実践されたのが、50年以上前にTMS誌に連載された87分署のダックスストーリーであったと思います。

というわけで、パソコンの画面上で5形サドルタンクをC型化して、クラブで配布された1000形用のキャブエッチング板と組み合わせてみたらよい感じになりました。クラブの来年のお題はタンクロコなので、このモデルも作りたくなりました。

0_6_2

ベースの図面は機関車史研究会の「ボールドウィンの小型機関車」p24 図11から引用しました。

下回りは1200-1320形あたりのCタンクを参考にしてデッチあげました。従輪はないほうが格好よいかもしれません。

脳内ではすぐ完成するのですが、なかなか手が動き始めません。

 

 

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3200形仕様の蒸機をもしニールスン社が製造していたら?

来年のクラブの共作お題がタンクロコになり、1030原形の製作を考えていますが、もう一両簡単な図を書いてみました。

TMS昨年2023年8月号に、石島治久さんが「ベイヤー・ピーコック3200形 遺聞」という記事を書かれています。

この記事については以前私のブログでもとりあげましたが、先輪なしとして0-6-2の軸配置で設計されたが、発注した日本鉄道からのオーダーで先輪が追加されたなど興味深い事実が書かれています。そのブログで書いたようにもし一旦指名入札で落札したニールスン社が辞退せずしかも、先輪なしで製造していたらという想定で、石島さんの記事の図面を引用させていただだき、一部改変してみました。

Nielson3200

ニールスン社が製造していたら、ベイヤーピーコック社の3200と大きく違っていたのは、おそらくサイドタンクまわりは沈み鋲仕上げになったいたと思われます。

キャブの窓開口部の形は、特にニースルン社の特徴的な形いうのはないようですが、ほぼ同じ時期に製造されて現在動態保存されているColtness Iron 社に一号機として納入された 製造番号5710 のLord Robertsというロコを参考にして描いてみました。結果的には同時に発注されたドイツ製の3240形と似たような印象となりました。

サンドドームの形も、3200や7080のようなピーコックタイプをそのまま載せたのでは違和感があるので、B6と同じような形にしてみました。

日本にはニールスン社の銘板がついたB6は輸入されていませんが、その後ニールスン社がダブス社などと合併した後で、NBLのハイドパーク工場としてかなりの両数のB6を製造して日本に輸出しています。ただこのグループのB6、日露戦争開戦のため納期がキツかったのか、戦費がかさんで少しでも安い方がよかったのか、サイドタンクは沈み鋲仕上げではありませんでした。

昨年と一昨年のクラブの共作お題のD型機では最初大風呂敷を広げて数両の製作を謳ったものの9450一両のみに終わったので、今回も大風呂敷になるかもしれないですが、一応製作予定車種として挙げておきます。

 

追記

ニールスン社は日本の鉄道会社に対しては結構高飛車な対応だったらしいとある本で読みました。ひょっとすると最初0-6-2で応札したのに、日本鉄道が先輪つきの仕様での納入を要求したので、それなら設計変更も必要だし、入札辞退するということになったのは邪推でしょうか?あるいは最初から、先輪の有無で2種類のオプションが提示されていたのでしょうか?

さらに追記(12/3)

1/80 の図面の上に 珊瑚の8620用主台枠パーツ置いてみました

Nielson3200b

これは使えそうです

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妄想 ピーコックのテンホイラー

 「海をわたる機関車」によると1910年鉄道院が、国産化モデル機関車を発注するとき、ノースブリティッシュNBL社だけではなく、過熱式蒸機製造の実績がないので指名メーカーから外されたベイヤーピーコック社も在日イギリス大使経由で圧力かけて、応札したらしいです。しかし結局受注はできず、英国からはNBL社の8700形のみが輸入されました。
 とはいっても不屈のジョンブル魂を持った英国人のこと、後年ベイヤーピーコック社は満鉄にテンホイラーのテホサ形とコンソリのソリサ形を外交圧力を使って?納入しています。
 ところでちょうど同時期1911年にベイヤーピーコック社が、オランダ国鉄向けにテンホイラーNS3700形を輸出しています。これは標準軌で動輪直径も1850mmと国産化モデル機関車の仕様からはひとまわり大きいのですが、これをダウンサイジングすれば、ベイヤーピーコック風の格好のよい英国型テンホイラーができたように思います。満鉄のテホサ形は耐極寒仕様のため武骨ですが、NS3700形は英国流の優美な外観を持っています。
 NS3700形は、メインロッドを第一動輪にかけたボルジッヒの8850形のような軸配置なので、8850をベースに8700の上回りを合体させていけばそれなりにまとまるように思えました。
 というわけでいつものように片野さんのイラストを使わせていただき、パソコン上で切り貼りしてみました。

8750

 

 ストレートボイラーで切り継いでみましたが、ベルペア火室もよく似合うかもしれません。
 もしこういう機関車が輸入されていたとしても、国産の8700のようなダブルボギーのテンダーがついていたと思いますが、やはりピーコックの機関車はリベット付き三軸テンダーが似合うと思います。
珊瑚の廉価版15周年キットの部品も1両分ぐらいは手もとにあるので作ってみたいです。
とまた妄想を書いてしまいました。

 

追加
オランダのモデラーさんのホームページに綺麗なNS3700の実物写真が載っていました

 

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