9450(18) 上回り キャブ・サイドタンク(2)

 サイドタンクと一体化したキャブの設計ですが、ニールスンの7750は妻面の丸窓が小さいのが好きではないので、この機関車は7850のような大きな直径の丸窓にしたいと思いました。

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 上図は金田さんの図面集からの引用です。左から7850、7750単式、7750複式です。右端が今回の模型化図面です。

 7750や7850は1/80にすると車体幅は27mm前後となりますが、16番の模型ですのでシリンダーの出っ張り具合やメインロッドと床板の当たりなどから模型化設計して、キャブ幅30mm、ランボード幅31mmとしています。シリンダー中心間隔は25mm、ピストン棒を片側で0.5mm偏心させているので見かけ上24mmです。

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 7750複式の断面と模型化したキャブを重ねてみました。

 最初はこのロコもやはりペルペア火室にしようと思っていました。ところが丸窓を大きくしようとすると、火室にあたってしまうのです。ナスミスウィルソン製のロコは丸窓が小さいのが特徴のようですが、ニールソン製は1960の丸窓は大きいので、このメーカーのデザインの特徴というわけではなさそうです。7750では火室との干渉を避けるために丸窓の直径が小さくなったデザインになったと想像しました。というわけで今回のロコは窓のデザイン優先でストレートボイラーにすることにしました。

 なお7850に比べて7750はサイドタンクの高さが高いので、丸窓の位置は少し上にしています。

 ちなみに日本にきたピーコックのキャブ妻面の窓は角窓が多いですが、オーストラリアに行ったものは大きな丸窓が多いですね。

 

 

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サイドタンクの前端は裏面にPカッターで筋を入れて折り曲げました。

妻面の窓は内側にパイプを輪切りにした窓枠を入れるので大きめにしてあります。

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キャブ妻板のボイラーの欠き取りは最後は、真鍮パイプにペーパー巻き付けたもので仕上げています。今回はボイラー径がφ18なので、φ16のパイプに#400のペーパーを巻き付けています。ペーパーを一重ではなく多重巻きにして直径調整をするのがミソです。

 

 

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9450(17) 上回り キャブ・サイドタンク(1)

ロコ本体上回りの加工をはじめました。

キャブのヒサシのように細くて長い部位は、私の工作が手荒いのかもしれませんが、糸鋸での切断とヤスリ仕上げ中に歪めてしまうことも少なくなったので、真鍮板で裏打ハンダ付けしてから加工しています。切断線にあわせてハンダ付けしておけば、万力切りではないですが、糸鋸が誤って曲がって切り込むのも防げます。

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クラブの総会まであと二ヶ月となりましたが、何とか未塗装完成までには持ち込みたいと思います。間に合うのか??

 

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9450(16) 飛び出す先台車

今日は朝からDCC音源車触っていたのですが、うまくいかなかったので、夕方から厄落とし?に手慣れた金属工作しました

9450の下回り、主台枠は96のパーツ利用、先台車も珊瑚96キットの先台車をロスト製に交換したのでその派生品です。

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今回は先輪はφ9.5です。KKC特注パーツ(クラブ内配布用)のピボット軸車輪の車軸を新製して使いました。

車軸はφ2.0の洋白棒から加工し、96用の先台車の車軸径をφ3.0に拡大加工して、車軸にはIMONのジャケット(段付きカラー)を軸箱代わりに入れています。

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先台車はカーブに入ると前に繰り出して、シリンダーブロックとの当たりを避ける いわゆる「飛び出す先台車」です。以前はリンク式の凝った構造にしていましたが、最近は一軸先台車の中心ピンを長孔にして、先台車に立てたピンが、主台枠につけたV字形溝の中をスライドする簡易式にしています。実用的にはこれでも十分です。

 

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9450(15) テンダー上回りをつくる (続)

来週のJAMのクリニック講演や展示の用意もまだ出来上がっていませんが、テンダーの上回りを組み上げてみました。

手すりや標識灯などの工作はまだこれからです。

私は図面でそういったパーツの位置を検討して、組み上げるまえに予め取付孔を開けるのではなく、組み上がってからパーツを現物に当てて寸法を検討して取付位置を決定して孔を開けます。皆さんはいかがですが? このあたりは私の図面作成・読み取り能力の低さによるものです。図面書いただけでは出来上がりが想像出来ないんです。

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内部にはサウンド用スピーカーが入っています。この上にDCCサウンドデコーダーを置く予定です。

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9450(14) テンダー上回りをつくる

テンダー上回りは、t0.4真鍮板から切り出しました。側板の内側にはt0.4でもう一枚裏打ちしています。車体幅が29mmで、スピーカーが28mmφなので、裏打ち板のスピーカーに当たる部分は欠き取っておきました。

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9450(13) DCCサウンドデコーダーMTC21ピンアダプターをつくる

DCCサウンドデコーダーのアダプターは既製のものでは大きすぎるのと既製品が高価なので、ハーフピッチ変換基板(24pin)とハーフピッチ二列ピンから加工して自作しました。

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左のハーフピッチ二列ピンを右の変換基板にはんだ付けします。真ん中の表面側にはんだ付けします。右の裏面のパターンにも通電しているので、ショートを防ぐため最後に絶縁テープを貼ります。

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このままでは基板の長さが30mmあってテンダー内幅より大きく収まらないので、基板の上下を一端子分ずつカットします。これで長さが26mmとなります。

20ピン用の変換基板を使えば、このカット作業は不要なことに後で気がつきました。アホです。変換基板の追加は20ピン用をオーダーしました。

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それぞれピンをはんだ付けしたところです。

こういうはんだ付けは基板にフラックス塗って、コテにハンダを盛ってパターンをハンダメッキしておいて、もう一度フラックス塗って上からインデックスピンを押しつけて、ハンダゴテをつけるとうまくいきました。過熱に弱いICをはんだ付けするわけではないので、十分コテを当ててしっかりハンダを流しておきました。最後は念のためパーツクリーナーで洗浄してフラックスを落しておきました

左は下2列目のインデックスピン相当部のピンと下一列の2本のピンを切り取ってあります。

右は上下を切り取った基板で、上一列の2本のピンと下1列目のインデックスピン相当部のピンを切り取ってあります。

MTC21ピンの結線規格は下記のとおりです。(SoundTraxx社のTsunami2 マニュアルより引用)

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ESUのLokSound5のMTC21ピンの配置です(ESU社オンラインマニュアルより引用)8/29追記

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改造した基板では12ピンは配線用ホールには接続していませんが、デコーダーで使われていませんので問題なしです

トラックやモーター、スピーカーへの接続ピンは、Soundtraxx(Tsunami2/Econami),ESU(LokSound5)とも共通ですが、他の接続ピンは違いますので注意してください

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加工した基板に、サウンドトラックス社のMTC21コネクタ付きのEconamiを装着してみました

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なぜわざわざアダプターを使うかというと、いきなりサウンドデコーダーを差すとショートしたときにデコーダーを焼いてしまうこともあるので、21ピン用のDecoder Blanking Plate(真ん中)をはめてアナログ直流運転で問題ないことを試したあとで、左の安価な運転デコーダーを差して試してから、大丈夫なことを確認して、サウンドデコーダーを差します。これらは香港・中国のLaisDCC社の製品です。

サウンドデコーダ一枚 焼くと渋沢英一さん一枚では済まないので、ショックも大きいです。プラスティック製モデルに対して、ブラスモデルでは接触ショートのリスクはかなり高いように思います。

またサウンドデコーダーは,鉄道模型と違って技術の進歩が早く、どんどん高性能な新製品がでてくるので、配線してしまうと交換が大変ですが、アダプター化しておけばすぐ交換できますし、高価なサウンドデコーダーの使い回しもデータの書換は必要ですが可能です。

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テンダーのスピーカー上に仮置きしてみましたが、この高さならテンダー内に収まりそうです。

☆昨日の記事を書き直して、独立させました。

☆7/18追記

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裏面のパターンには、ポリイミドテープを貼ってしっかり絶縁しておきました。

ポリイミドテープは、いわゆるカプトンテープですが カプトンはデュポン社の登録商標であり、秋月で売っているのはジェネリック品らしいのでポリイミドテープと書いています。

☆7/20追記

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左は20ピン変換基板に、24ピン二列ピンから3本ピンを抜いたものをはんだ付けしたものです。

これの方が基板がコンパクトでよいですね

☆7/22追記

このアダプター中小型車両には、省スペースとなるので使いやすいと思います。

コストや材料の入手性でも優れています。

日本のDesktopstation社を初めとするデコーダーのメーカーさんにはこのタイプの基板の継続した生産をお願いしたいと思います。

 

なお残念ながら秋月の変換基板は、エッチングパターンなどや大きさがこの用途には使いづらいようです。

日本のamazonや中華通販サイトで写真をよくみて探してください。

 

☆8/8追記

この方法で自作アダプター使うときは注意事項があります。ここをクリックしてください

 

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9450(12) テンダー下回りをつくる

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テンダー側板の取付金具をはんだ付けして。

テンダー床板中央にスピーカーの穴を開けました。

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取付金具つきスピーカーを床板にネジ止めしています。

☆デコーダーアダプター製作記事は少し修正して別記事としました。

 

 

 

 

 

 

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9450(11) テンダー台枠をつくる(続)

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テンダー台枠にロストワックスの軸ばねと一体になった軸箱をはんだ付けし、タンク支えのステイもつけました。

車輪はテンダー台枠で保持するのではなく、内側に軸受を設けます。後2軸の左右で二点、前一軸の中央で一点の三点支持とします。後2軸の軸受はt0.6燐青銅板より作りました。なお各車輪の上下動は±0.3mm前後としていますが、それで十分だと思います.

三軸テンダー台車は、車輪を固定式にすると意外に集電が悪いので、やはり可動式にすべきだと思います。

☆7/6追記

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仮組してみました。第一軸の中央支点の軸受はベアリングを嵌めただけの手抜き仕様です。床板側から上からネジで押さえて高さを調整します。

 

 

 

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9450(10) テンダー台枠をつくる

テンダー台枠を切り抜きました。今回は真鍮板にケガくのではなく、シール台紙にプリンターで図面を印刷しそれを真鍮板に貼り付けて加工しました。

まずt0.5真鍮板を二枚半田で貼り合わせます。それに印刷して切り抜いたシール台紙を貼り付けました。

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それを糸鋸で切り抜いて、ロストワックス製の軸箱(クラブ内頒布品)をはめこみました。少し軸ばねバネ吊りの形がプロトタイプとは違いますがヨシとします。

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シール台紙の剥がれもなく、うまく加工できたので、また今回の台枠のようなカーブのあるパーツの切り抜きにはまた使ってみようと思います。

最後にバーナーで炙って二枚におろしました。t0.5の板を使ったので、ドロップ製パーツに比べるとペラペラで少し物足りない感じがしますが、スケールだとこれでも厚すぎるようです。実物は1/80にするとt0.2-0.3程度らしいです。

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↑まだ仮止めなので軸箱は曲がっています。修正してはんだ付けします。

最初手持ちの6200用のテンダー台枠パーツ(40年前のトビー製ドロップ)が使えるかと思っていたのですが、テンダー台枠の高さが違うので使えず、自作となりました。40年前7750形を自作したときも同じ理由でパーツが流用できなかったのをすっかり忘れていました。

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9450(9) IMONのロッドピンについて

9600とこの機関車では、IMONから発売されているトルクスネジのロッドピンEを使っています。見かけは従来のマイナスネジに比べてよいと思いますし、小さいトルクスドライバーでしっかりネジ止めできるのがよいです。

ただネジの規格ごとに一種類しかサイズが発売されていないので、困ることもあります。この機関車では珊瑚の96用サイドロッドを使っていますが、これは関節入りではなく、ロッドピンのところでサイドロッドを重ねる簡易仕様です。そうなると第三動輪のように二重にロッドをかけるロッドピンでは首下の段差部分の高さが不足してしまいます。そのままネジを締めたのでは、動輪にサイドロッドがネジ止め固定されてしまいます。

それでは困るので、段付き部分とネジ部分の間にネジを切っていない溝?(下図の赤く塗った部分)にワッシャなどを挟めないか考えてみました。結局そんな難しいことを考えなくても φ0.2-0.3ぐらいの真鍮線を巻き付けておけば十分でした。浮かす厚さにより線径は変えてください。ロッドピンに真鍮線を巻き付けて捻ってヒートン状にして、その首の部分をニッパーで切断すれば、リング状となり 簡単にできます。線径が細いので、加熱してナマす必要もありません。

ロッドピンをひと締めするとキツすぎてロッドが固くなるが、少し弛めると回転しているうちに弛んでしまう、そういう時に おためしください。IMON・乗工社仕様のロッドピンCでも同じような溝があるようなので応用できそうです。

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Imon_rodpin

models IMONのwebより引用して、改変

メインロッドついている第二動輪のピンは、このトルクスネジのロッドピンをある方に教えてもらった方法で自作します。

これについてはまた改めて報告します。

 

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