塩水漬け

タップやドリルを真鍮材に折り込んでしまったとき、それを除去するのに有用なのが塩水漬けです。dda40xさんに教えていただいた方法です。

ただこれもただ塩水に漬けていると折り込んだタップやドリルの先が溶けるのではなく、ステンレスと一緒につけ込んで、ステンレスと折り込んだ真鍮材を接触させることが必須です。ただ塩水を入れた容器にステンレスと真鍮材を別々に離して漬けていたのではダメです。この方法がうまくいかないといわれる方は、たいていここの理解が出来ていないようです。ステンレスとタップやドリルの素材の鉄では電位の差があり 電池になるのを利用して、真鍮を経由して鉄とステンレスの間に微弱な電流が流れて電気メッキのようにして鉄を溶かすというのがこの方法のキモです。

ステンレスの容器に塩水を入れて、対象物を漬け込むというのが一番簡単ですが。今回は適当な大きさのステンレス容器がなかったので、対象物にステンレス製のクリップを挟んで、これをガラス瓶に塩水を入れて漬け込みました。2日程漬け込むと折れ込んだドリルは溶けてボロボロになって容易に除去できました。

タップやドリルを折り込んでしまった 対象物に挟むクリップは、ステンレス製でないとダメです。メッキされた鉄製やアルミ製のクリップでは効果がないので念のため!

 

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ケガキ線の見え方について

最近は老眼が進んだためか、真鍮板のケガキ線が見にくくなりました。やはりコンさんおすすめの青ニスを使った方が良いかとも思いましたが、ケガキ線を見る角度を変えてみるとよく見えることに気が付きました。

具体的には上から見下ろすとケガキ線は見にくくて、斜めから見るとよく見えます。

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そこでフロイス板(風呂椅子)の出番となりました。これを工作台の上に置いて、目線を変えるとよくケガキ線が見えました。

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また必然的に糸ノコを寝かして切ることになるので、切断の直線性もよくなったような気がします。

糸鋸での切断は荒い番手で寝かして切る派と細かい番手でノコを垂直に立てて切る派があるようですが、私は前者です。t0.3-0.5ぐらい切るときも00/000ぐらいの刃を使います。6/0あたりは、t0.2ぐらいの板の細かい窓抜き?をするときぐらいしか使いません。

なお私は万力切りはしません。糸鋸の弓を少し寝かして切れば 直線性には問題ないと感じています。

 

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9600 (27) エコーモデルのバッファーを可動式に改造する

これまで珊瑚模型のバッファーを可動式に改造していましたが、手持ちストックが尽きたのでエコーモデルのバッファー(1634)を改造してみました。

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一番下がエコーの未加工パーツ

その次が旋盤加工後で、その上のクラブ特注品のバッファーヘッドを組み合わせると

一番上の完成となります

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旋盤加工は2mmのスプリングコレットチャックでおこないました。

コレットにくわえるとだいたい芯がでますが、念のため竹べら法の原理で、回転中に割り箸をバッファーヘッドに当ててフレをとってから加工しました。

特注パーツのバッファーヘッドの、細い部分がφ0.98 太い部分がφ1.32 (実測値)なので、まずφ1.2のセンタードリルで、パーツのヘッドを落として、バッファー胴体頭部のセンターを出します。その後φ1.1のドリルで貫通させて、φ1.4のドリルで頭から3.5mmの部分まで孔を拡げます。

バッファースプリングはケーディーカプラーの銅色のナックルスプリングを利用しています。

珊瑚のバッファーは取付部が、1.4mmネジだったので、短くカットした細密パイプを差し込んでハンダ付けして取り付け座にしていましたが、エコーのパーツは取付部がφ1.8(実測値)なのでそのまま取付部を使えるので、工程が削減できました。

 

 

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阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(14)バッファーをメッキする

今回はバッファーのヘッドを銀色に光らせたいのでメッキしました。

最初はいさみや無電解めっき液でメッキしようとしたのですが、うまくいかず、結局いつもどおり電解メッキしました。

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いつもどおり9Vの6P電池を使ってメッキします。

今回はパーツ全体にメッキしたいので、綿棒メッキではなく、メッキ槽にパーツを浸すことにしました。

メッキ槽はポリエチレン製の瓶の中蓋です。メッキ液はめっき工房用のニッケルメッキ液です。

陰極はICクリップに接続し、バッファーの足の部分をくわえました。

陽極はニッケルの薄板をメッキ層にワニグチクリップで固定し陽極に接続しました。

このニッケルの薄板は、リチウム電池の修理用?のストリップテープです。

昔マッハのメッキセットに入っていたニッケル板だといちいち洗浄する手間が要りますが、これならコストも安いので使い捨てもできます。なおメッキ使用後は表面に黒い物質が析出します。

バッファーの本体部分は、タミヤのXF1つや消し黒のエナメルマーカーで塗装しました。

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綿棒メッキ改良?案

以前綿棒を使ってメッキする方法を報告しましたが、もう少し格好よくコンパクトにならないか工夫してみました。

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ハトメを先をヒートン状(?形)に曲げた真鍮線にハンダ付けし、これに綿棒を差し込みます。

今回のものはこのハトメが綿棒への電極(陽極)になりますので、トビカやラッセンといった導電性がある炭素塗料を厚塗りしておくのがミソです。ハトメが真鍮地肌のままでは、真鍮が析出してしまうのでうまくいきません。

またメッキしているときは、メッキ液を綿棒がヒタヒタになるぐらい十分補給してやるとキレイにメッキできます。

メッキする材料に電線を固定するには私はICクリップを使っていますが、ワニグチクリップなどでもよいです。

追記

今回使ったマルイ鍍金の黒メッキ液の小瓶(18ml)ですが、同社HPのラインナップにはありますが、市場では見かけないようです。50mlは在庫のあるネットショップもあるようです。

まためっきペンとか便利なものもいろいろ出ているようです。私の方法は小回りの利くコスト削減の簡易法ということでみてください。

 

 

 

 

 

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既製動輪の位相の誤差について

最近動輪のギアを交換するため、サンゴの9600用とB6用のφ15.5動輪をばらして、コンさんの位相合わせ治具をつかって組み直しました。

9600の方は組み直した動輪をもう一度 フレームに入れて組立てるとスムースに回転しましたが、B6用の方はうまく回転しませんでした。そこで動輪全てをバラして組立てなおして再組立てするとスムースに回転しました。

B6用動輪もクランク半径の狂いもないようでしたので、その原因しては最初の製品の段階では位相が90度から同じだけ狂っていたので、治具で組み直すと、組み直した動輪だけが正確に90度になってしまったので、ロッドが引っかかるようになったと考えました。

動輪の位相は、数度程度の誤差であっても、誤差が同じで揃っていれば、スムースに回転するようです。それを自前の治具で正確に90度に合わせると具合が悪いようです。皆さんもギア交換するときは、再組立てしたギアつき以外の動輪もバラして再組立てしてみられることをお勧めします。

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エッチング板ができてきました

以前まだ原画を手書きしていたころにエッチング板を外注したことはあるのですが、原画をパソコン入稿してエッチング板を外注するのは初めてでした。なぜエッチング板のパソコンデータによる外注をしなかったかというと、エッチング板の原画データをパソコン入稿する場合はたいてい、アドビのイラストレーターで原画を作成するように指示されるのですが、私自身イラストレーターをうまく使いこなすことができず、ソフト自体もかなり値が張るので、それが大きな障壁になっていたのです。

ところが、鉄道模型のエッチング板の製造を多く手がけられている 大阪の「ことぶき」さんのHPで、イラストレーター形式のファイル以外にPDFでも入稿できると書かれているのを見つけたので問い合わせてみました。同社によるとPDFでもビットマップ形式はダメだが、ドロー形式でイラストレーターで読み込めるPDFデータなら大丈夫ということでした。

そこで使い慣れているDrafting CAD Proという、CAD機能付きのドローソフトで原稿を作って発注してみました。このソフトはマックドローなどと操作性が非常に似ているので、マックのドローソフトで図面を書いてきた私には非常に使いやすいものでした。また今回この手順で発注するのは初めてだったので、データ修正などでことぶきのスタッフさんのお手を少し煩わせてしまいましたが、なんとか無事発注できて、本日納品されました。

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データファイル(表面)を画像化(PDF->JPEG)したものです

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まだデータ変換で若干課題は残っていますがとにかくうまくエッチング板ができました。

これで今後はエッチング板を作って、またいろいろ模型が作れそうです。

※12/18 追記

今回ベクトル図形のPDFでエッチング板原稿作成して感じたのは、角で線をつなぐときに注意が必要だということでした。パソコンの画面やプリンターへの印刷出力で上手くいってるように見えても、実際Illustratorに変換すると角が欠けたりしている部分もでているようで、エッチングの結果にきっちり反映されています。もう少し原稿作成に工夫が必要なようです。太線は幅を持った直線データではなく、長方形として描いた方が良いのかもしれません。

Drafting CAD Proというドローソフトの方が、illustratorよりCAD的な機能がついている(メーカーはドローソフトの操作性を持ったCADソフトというのをウリにしているようなので当然かも)ので、エッチング原稿作成には適しているかと思いました。これでIllustrator形式のファイルが出力できればいいのですが、さすがにその機能はないようです。またこのソフトで作ったベクトルPDFをIllustratorで読み込むと全体の寸法が変わるようなので、メーカーさんでillustratorに読み込んでから縮小して修正してもらいました。この縮小加工の過程で図形のズレは出ないようです。

Illustratorは今は毎月¥2,728のサブスクになっているようです。私はたまにしか使わないので、そこまで払えません。Acrobatは仕事でも毎日使っているので、毎月¥1,980払っています。ジェネリックの安い買い切り型のPDFソフトもありますが、純正(先発品)の方が機能が格段に上だと思います。

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お手軽設計法

H御大や畏友クラーケンさんは、図面を書くと頭の中で模型イメージが浮かんで、それにしたがって手を動かせば模型が完成するそうです。ただ私のような工学系の基礎教育を受けていないものは、図面を書いても完成したイメージは頭に浮かばず、試行錯誤しながら実際に工作していかねばなりません。

図面もなかなか上手く描けず、手抜き工事でパソコン上で描いていますので、その方法を書いてみます。

現在妄想計画中の3200形タイプのドイツ型1C1タンクです。

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まず片野さんのスケールイラスト集(陸蒸気からC63>細密イラストで綴る 日本蒸気機関車史)までのスケールイラストをスキャンして、画像ソフト上で切り貼りして、作りたい模型の(ビットマップ)画像を作成します。金田さんの形式図集を使うこともあります。

私は、Gimpというフリーソフトを使っています。フォトショップの互換ソフトといってよいかと思います。高度な機能を除いては、ほぼフォトショップと同じ作業ができます。MacでもWindowsでも動きます。日本語版もあります。

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それをCAD機能を持ったドローソフトDraftingCAD Proにとりこんで、主要部分を手動でトレースして、寸法を記入していきます。

このソフトは、MacDrawなどのドローソフトの流れの操作性を持つドローソフトで、CAD機能が付加されたものです。私のようなドローソフトで図面を描いてきたものには使いやすいです。

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今回は珊瑚の2400形サイドタンクのパーツを使う予定なので、これを画像に撮って画面上で合わせて検討します。レイヤー機能を使って画像を挟んで合成していきます。

実寸の歪みのない画像にしたいので、カメラで撮影せず、フラットベッドスキャナでスキャンして画像にしています。またJPEG画像にすると透明部分が白くなってしまいますので、フォトショップのPSD画像にしています。DraftingCAD ProはPSD形式のビットマップ画像をそのまま取り込むことが可能です。

この後車体の寸法や車輪の位置などを模型用にアレンジしていきます。

こうやって設計図面をデッチ上げています。

 

ところで片野さんの蒸機機関車スケールイラスト集 現在は絶版になっているようです。このような良書は継続して版を重ねていただきたいと思います。また金田さんの1/80形式図集(機関車史研究会)も一部が売り切れになっているようです。

※追記(12/6)

IT化されたようなことを書きましたが、昔からある本・雑誌の図面をコピーして鋏と糊で切り貼りして図を作り、その上にトレーシングペーパーの方眼紙にトレースして図面を描いていくという作業をパソコン上でやっているのと作業内容は同じです。

 

 

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つぼみのBタンク改造(10)スライドバーをめっきする

真鍮角線で真鍮地肌色だったスライドバーをニッケルめっきして銀色にしました。

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こういう組み上げたあとの小さなパーツのめっきは、めっき工房でやっていたのですがもう少し簡単にできないか工夫してみました。
陽極(+)側はt0.2の真鍮板をU字形に曲げて綿棒を挟めるようにしたものです。但し陽極の電極が真鍮板ではマズイとおもったので、綿棒を挟む部分は被膜に電気導通性のある炭素塗料(ラッセン、トビカと同じようなもの)を厚塗りしています。綿棒をはめ込んで、先端の綿の部分にめっき工房のニッケルめっき液を垂らします。
陰極(-)はICクリップでこれをめっきする部位に挟みます。

電源は9Vの6P角型電池です。

これで綺麗にめっきできました。めっき工房の専用めっき道具を使わなくても大丈夫のようです。
こちらの方が小回りがきくし、専用のフェルト電極を買う必要もありません。めっき液も少量ですみます。

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フリーランス・モーガル(25) 煙突スカートを作り直す

塗装前の清掃作業をしている時に煙突スカートのパーツを紛失しました。結局あとででてきましたが。

少し煙突の高さが低くて、前照灯と当たるので、思い切って作り直しました。素材からスクラッチする気力はないので、エコーのロストパーツ1754改造です。

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煙突のランナー(湯口)を旋盤のコレットチャックにくわえます。ただロストワックスは鋳造品でランナーの先端は出ていないのでそのままではセンターが触れてしまいます。車輪の振れをとる方法で竹べら法を言うのがありますが、あれとおなじで、ゆっくり回転しながら木材などの柔らかい材料を当てていくと次第にセンターが出ます。もちろん挽物ではないので完全には出ません。煙突だと芯押し台にセンターをつけ開口部に突っ込むという手も使えます。なおこうしたロストパーツのランナーには「鬆(す)」が入っていて折れやすいので、旋盤加工をおこなうときはランナーに「鬆」の入っておらず直線のでているモノをえらぶようにします。

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煙突のそこまで届く一番太いドリルで軽くもんで、センターを出します。今回はφ2.6のドリルがちょうどよかったです。センターに皿モミができたら、次は貫通させる孔径のドリルに交換します。今回はφ1.5のドリルを使いました。

煙突をネジ止めする場合は、ネジの下穴径のドリルで貫通しタップを立てます。なお真鍮を旋盤加工するときは原則切削油は不要ですが、真鍮ロストを加工する時は粘って折れやすいので、切削油を使用すべきだと思います。

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今回はスカートのみ使うので、煙突上部を突っ切って落とします。もちろん落した上部も回収してストックしておきます。

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杉山模型のパーツの煙突本体と組み合わせました。

 

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