阪神間開業時のマッチ箱客車をつくる(14)バッファーをメッキする

今回はバッファーのヘッドを銀色に光らせたいのでメッキしました。

最初はいさみや無電解めっき液でメッキしようとしたのですが、うまくいかず、結局いつもどおり電解メッキしました。

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いつもどおり9Vの6P電池を使ってメッキします。

今回はパーツ全体にメッキしたいので、綿棒メッキではなく、メッキ槽にパーツを浸すことにしました。

メッキ槽はポリエチレン製の瓶の中蓋です。メッキ液はめっき工房用のニッケルメッキ液です。

陰極はICクリップに接続し、バッファーの足の部分をくわえました。

陽極はニッケルの薄板をメッキ層にワニグチクリップで固定し陽極に接続しました。

このニッケルの薄板は、リチウム電池の修理用?のストリップテープです。

昔マッハのメッキセットに入っていたニッケル板だといちいち洗浄する手間が要りますが、これならコストも安いので使い捨てもできます。なおメッキ使用後は表面に黒い物質が析出します。

バッファーの本体部分は、タミヤのXF1つや消し黒のエナメルマーカーで塗装しました。

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綿棒メッキ改良?案

以前綿棒を使ってメッキする方法を報告しましたが、もう少し格好よくコンパクトにならないか工夫してみました。

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ハトメを先をヒートン状(?形)に曲げた真鍮線にハンダ付けし、これに綿棒を差し込みます。

今回のものはこのハトメが綿棒への電極(陽極)になりますので、トビカやラッセンといった導電性がある炭素塗料を厚塗りしておくのがミソです。ハトメが真鍮地肌のままでは、真鍮が析出してしまうのでうまくいきません。

またメッキしているときは、メッキ液を綿棒がヒタヒタになるぐらい十分補給してやるとキレイにメッキできます。

メッキする材料に電線を固定するには私はICクリップを使っていますが、ワニグチクリップなどでもよいです。

追記

今回使ったマルイ鍍金の黒メッキ液の小瓶(18ml)ですが、同社HPのラインナップにはありますが、市場では見かけないようです。50mlは在庫のあるネットショップもあるようです。

まためっきペンとか便利なものもいろいろ出ているようです。私の方法は小回りの利くコスト削減の簡易法ということでみてください。

 

 

 

 

 

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既製動輪の位相の誤差について

最近動輪のギアを交換するため、サンゴの9600用とB6用のφ15.5動輪をばらして、コンさんの位相合わせ治具をつかって組み直しました。

9600の方は組み直した動輪をもう一度 フレームに入れて組立てるとスムースに回転しましたが、B6用の方はうまく回転しませんでした。そこで動輪全てをバラして組立てなおして再組立てするとスムースに回転しました。

B6用動輪もクランク半径の狂いもないようでしたので、その原因しては最初の製品の段階では位相が90度から同じだけ狂っていたので、治具で組み直すと、組み直した動輪だけが正確に90度になってしまったので、ロッドが引っかかるようになったと考えました。

動輪の位相は、数度程度の誤差であっても、誤差が同じで揃っていれば、スムースに回転するようです。それを自前の治具で正確に90度に合わせると具合が悪いようです。皆さんもギア交換するときは、再組立てしたギアつき以外の動輪もバラして再組立てしてみられることをお勧めします。

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エッチング板ができてきました

以前まだ原画を手書きしていたころにエッチング板を外注したことはあるのですが、原画をパソコン入稿してエッチング板を外注するのは初めてでした。なぜエッチング板のパソコンデータによる外注をしなかったかというと、エッチング板の原画データをパソコン入稿する場合はたいてい、アドビのイラストレーターで原画を作成するように指示されるのですが、私自身イラストレーターをうまく使いこなすことができず、ソフト自体もかなり値が張るので、それが大きな障壁になっていたのです。

ところが、鉄道模型のエッチング板の製造を多く手がけられている 大阪の「ことぶき」さんのHPで、イラストレーター形式のファイル以外にPDFでも入稿できると書かれているのを見つけたので問い合わせてみました。同社によるとPDFでもビットマップ形式はダメだが、ドロー形式でイラストレーターで読み込めるPDFデータなら大丈夫ということでした。

そこで使い慣れているDrafting CAD Proという、CAD機能付きのドローソフトで原稿を作って発注してみました。このソフトはマックドローなどと操作性が非常に似ているので、マックのドローソフトで図面を書いてきた私には非常に使いやすいものでした。また今回この手順で発注するのは初めてだったので、データ修正などでことぶきのスタッフさんのお手を少し煩わせてしまいましたが、なんとか無事発注できて、本日納品されました。

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データファイル(表面)を画像化(PDF->JPEG)したものです

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まだデータ変換で若干課題は残っていますがとにかくうまくエッチング板ができました。

これで今後はエッチング板を作って、またいろいろ模型が作れそうです。

※12/18 追記

今回ベクトル図形のPDFでエッチング板原稿作成して感じたのは、角で線をつなぐときに注意が必要だということでした。パソコンの画面やプリンターへの印刷出力で上手くいってるように見えても、実際Illustratorに変換すると角が欠けたりしている部分もでているようで、エッチングの結果にきっちり反映されています。もう少し原稿作成に工夫が必要なようです。太線は幅を持った直線データではなく、長方形として描いた方が良いのかもしれません。

Drafting CAD Proというドローソフトの方が、illustratorよりCAD的な機能がついている(メーカーはドローソフトの操作性を持ったCADソフトというのをウリにしているようなので当然かも)ので、エッチング原稿作成には適しているかと思いました。これでIllustrator形式のファイルが出力できればいいのですが、さすがにその機能はないようです。またこのソフトで作ったベクトルPDFをIllustratorで読み込むと全体の寸法が変わるようなので、メーカーさんでillustratorに読み込んでから縮小して修正してもらいました。この縮小加工の過程で図形のズレは出ないようです。

Illustratorは今は毎月¥2,728のサブスクになっているようです。私はたまにしか使わないので、そこまで払えません。Acrobatは仕事でも毎日使っているので、毎月¥1,980払っています。ジェネリックの安い買い切り型のPDFソフトもありますが、純正(先発品)の方が機能が格段に上だと思います。

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お手軽設計法

H御大や畏友クラーケンさんは、図面を書くと頭の中で模型イメージが浮かんで、それにしたがって手を動かせば模型が完成するそうです。ただ私のような工学系の基礎教育を受けていないものは、図面を書いても完成したイメージは頭に浮かばず、試行錯誤しながら実際に工作していかねばなりません。

図面もなかなか上手く描けず、手抜き工事でパソコン上で描いていますので、その方法を書いてみます。

現在妄想計画中の3200形タイプのドイツ型1C1タンクです。

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まず片野さんのスケールイラスト集(陸蒸気からC63>細密イラストで綴る 日本蒸気機関車史)までのスケールイラストをスキャンして、画像ソフト上で切り貼りして、作りたい模型の(ビットマップ)画像を作成します。金田さんの形式図集を使うこともあります。

私は、Gimpというフリーソフトを使っています。フォトショップの互換ソフトといってよいかと思います。高度な機能を除いては、ほぼフォトショップと同じ作業ができます。MacでもWindowsでも動きます。日本語版もあります。

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それをCAD機能を持ったドローソフトDraftingCAD Proにとりこんで、主要部分を手動でトレースして、寸法を記入していきます。

このソフトは、MacDrawなどのドローソフトの流れの操作性を持つドローソフトで、CAD機能が付加されたものです。私のようなドローソフトで図面を描いてきたものには使いやすいです。

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今回は珊瑚の2400形サイドタンクのパーツを使う予定なので、これを画像に撮って画面上で合わせて検討します。レイヤー機能を使って画像を挟んで合成していきます。

実寸の歪みのない画像にしたいので、カメラで撮影せず、フラットベッドスキャナでスキャンして画像にしています。またJPEG画像にすると透明部分が白くなってしまいますので、フォトショップのPSD画像にしています。DraftingCAD ProはPSD形式のビットマップ画像をそのまま取り込むことが可能です。

この後車体の寸法や車輪の位置などを模型用にアレンジしていきます。

こうやって設計図面をデッチ上げています。

 

ところで片野さんの蒸機機関車スケールイラスト集 現在は絶版になっているようです。このような良書は継続して版を重ねていただきたいと思います。また金田さんの1/80形式図集(機関車史研究会)も一部が売り切れになっているようです。

※追記(12/6)

IT化されたようなことを書きましたが、昔からある本・雑誌の図面をコピーして鋏と糊で切り貼りして図を作り、その上にトレーシングペーパーの方眼紙にトレースして図面を描いていくという作業をパソコン上でやっているのと作業内容は同じです。

 

 

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つぼみのBタンク改造(10)スライドバーをめっきする

真鍮角線で真鍮地肌色だったスライドバーをニッケルめっきして銀色にしました。

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こういう組み上げたあとの小さなパーツのめっきは、めっき工房でやっていたのですがもう少し簡単にできないか工夫してみました。
陽極(+)側はt0.2の真鍮板をU字形に曲げて綿棒を挟めるようにしたものです。但し陽極の電極が真鍮板ではマズイとおもったので、綿棒を挟む部分は被膜に電気導通性のある炭素塗料(ラッセン、トビカと同じようなもの)を厚塗りしています。綿棒をはめ込んで、先端の綿の部分にめっき工房のニッケルめっき液を垂らします。
陰極(-)はICクリップでこれをめっきする部位に挟みます。

電源は9Vの6P角型電池です。

これで綺麗にめっきできました。めっき工房の専用めっき道具を使わなくても大丈夫のようです。
こちらの方が小回りがきくし、専用のフェルト電極を買う必要もありません。めっき液も少量ですみます。

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フリーランス・モーガル(25) 煙突スカートを作り直す

塗装前の清掃作業をしている時に煙突スカートのパーツを紛失しました。結局あとででてきましたが。

少し煙突の高さが低くて、前照灯と当たるので、思い切って作り直しました。素材からスクラッチする気力はないので、エコーのロストパーツ1754改造です。

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煙突のランナー(湯口)を旋盤のコレットチャックにくわえます。ただロストワックスは鋳造品でランナーの先端は出ていないのでそのままではセンターが触れてしまいます。車輪の振れをとる方法で竹べら法を言うのがありますが、あれとおなじで、ゆっくり回転しながら木材などの柔らかい材料を当てていくと次第にセンターが出ます。もちろん挽物ではないので完全には出ません。煙突だと芯押し台にセンターをつけ開口部に突っ込むという手も使えます。なおこうしたロストパーツのランナーには「鬆(す)」が入っていて折れやすいので、旋盤加工をおこなうときはランナーに「鬆」の入っておらず直線のでているモノをえらぶようにします。

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煙突のそこまで届く一番太いドリルで軽くもんで、センターを出します。今回はφ2.6のドリルがちょうどよかったです。センターに皿モミができたら、次は貫通させる孔径のドリルに交換します。今回はφ1.5のドリルを使いました。

煙突をネジ止めする場合は、ネジの下穴径のドリルで貫通しタップを立てます。なお真鍮を旋盤加工するときは原則切削油は不要ですが、真鍮ロストを加工する時は粘って折れやすいので、切削油を使用すべきだと思います。

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今回はスカートのみ使うので、煙突上部を突っ切って落とします。もちろん落した上部も回収してストックしておきます。

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杉山模型のパーツの煙突本体と組み合わせました。

 

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車輪の黒メッキ剥がし

最近は車輪は黒メッキが主流になってきたようですが、私はやはり模型の車輪タイヤは銀色に光らせたいと思います。これは個人的な好みです。というわけで、黒メッキが剥がせるかどうか試してみました。

黒メッキは酸で溶けるときいたことがあるので、10%塩酸=サンポールやリン酸の工業用錆落とし液などを試みましたが、黒メッキ被膜はびくともしませんでした。ネットでみるとプロは硫酸や硝酸をつかうようです。

今回試みたのは、日昇工業のB6用15.5φ動輪です。日昇工業さんに聞くとこの製品は、洋白タイヤに黒メッキがしてあるそうです。酸で剥離するとタイヤ表面が荒れるので、研磨して落してた方がよいというアドバイスをもらいました。あまり強い研磨材を使うとタイヤが減ってもいけないので、今回はしょうなんでんしゃのブログで紹介されていた ステンレス用の研磨剤付き研磨布で磨いてみました。1個の片側をこの研磨布で手で磨いてみました。

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左が研磨後、右は研磨していないものです。

何とかキレイにタイヤ表面の黒メッキを落とせました。

タイヤは金属磨き剤で磨いた洋白の食器のようにピカピカになりました。

なお黒ニッケルメッキするときは、工業製品なら一旦ふつうの銀色のニッケルメッキをかけて、その上から黒ニッケルメッキを薄くかけて、色合いを調整するそうです。先日まで知りませんでした。メッキ工房使うときもその方法でやった方が、キレイに黒メッキできるようにおもいました。
模型の車輪は、素材が洋白ならキレイに研磨で黒メッキを落とせるようですが、真鍮に銀色のニッケルメッキをかけて、その上に黒メッキをかけてある製品の方が多いようなので、研磨して剥がすときは下の真鍮地肌を出さないように注意が必要だと思います。imonの黒メッキ車輪はすべて洋白製とのことですが、他社製の車輪はわかりません。

 

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塗装準備

私は塗装の前には、一晩水漬けにしておきます。これは見えないところに残っているフラックスを追い出すための作業です。

ところが、黒い鉄ねじだと一晩漬けると錆が出ます。べつに普通の水道水につけているのですが、例の折り込みドリルの塩水漬けでの除去のときと同じように真鍮と鉄のイオン化傾向の差により、鉄が酸化するのだと思います。この錆はすぐブラシで擦れば簡単に除去できますが、よく注意しておく必要があると思っています。ちなみにニッケルメッキされた銀色の鉄ねじだとこの現象はおきません。

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一晩水漬けしたあと、中性洗剤(私は油汚れに強いジョイを使います)で擦り洗いをして水でよくすすいでから、超音波洗浄機にかけます。
その後みなさんご存じのモデラー御用達 山善の食器乾燥機で乾燥させて、仕上げに速乾性のパーツクリーナーで洗浄してから塗っています。
ジョイで磨くと少し光りますが、クレンザーでピカピカに磨くことはしません。真鍮は茶色い酸化皮膜を残した方が、プライマーの喰い付きがよく塗膜が強くなるらしいです。もちろん青い緑青は除去します。

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米国型のシリンダーのつくりかた

Mogulさんのブログにゆうえんさん方式とか書かれてしまったので、私の米国型蒸機のシリンダーの最近の作り方を書いておきます。

製品だとシリンダーは挽物一体で、シンダーブロックに当たる部分を平面に欠き取ってという構成の製品が多いようです。

自作する場合もそのままの構成でも問題ないですが、シリンダー自体は3ピースで作った方が工作が楽だと思います。

写真は旧作の2850のシリンダーがエコーモデルのパーツのままでは少し細すぎるので、とりあえず作り直しておいたものです。

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右が組み立てたものですが、左のように3ピースの構成となっています。前後蓋は真鍮丸棒から挽き出し、胴体はパイプの輪切りです。後蓋はスライドバーも取り付けて走行調整が必要なのではんだづけしますが、前蓋は塗装後接着剤で固定しています。自分は米国型蒸機の前後蓋は真鍮磨き出しにすることも多いので、この方が楽だとおもっています。
OJスクラッチの達人H師匠も3ピースにされるとうかがっております。

シリンダーブロックとの組合せは、シリンダーの当たる部分を平面に削るのではなく、ブロック側をボールエンドミルで削っています

 

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